【注目銘柄】HPCシステムズは6月の上場来高値を目指す、21年6月期増収増益予想
2020年10月7日 10:22
HPCシステムズ<6597>(東マ)はハイパフォーマンスコンピューティング分野のニッチトップ企業である。21年6月期増収増益予想である。競争優位性を活かして市場開拓を推進する方針だ。収益拡大を期待したい。株価は8月の直近安値圏から反発して水準を切り上げている。6月の上場来高値を目指す展開を期待したい。
■ハイパフォーマンスコンピューティング分野のニッチトップ企業
ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)分野のニッチトップ企業で、科学技術研究開発のプラットフォーマーを目指している。20年4月にはアズワン<7476>と資本業務提携した。
量子化学計算・分子動力学計算に強みを持ち、科学技術計算用高性能コンピュータに関連するシステムインテグレーションのHPC事業と、顧客企業の注文仕様に応じて産業用コンピュータを開発・製造するCTO事業を展開している。
HPC事業では、大学研究室や公的研究機関からの受注を確保しつつ、民間企業の研究所・R&Dセンターなどで実施されている大規模・高精度な科学技術計算向け高性能計算機の拡販を強化している。
CTO事業では、半導体検査装置、医療装置、アミューズメント機器向け既存顧客の受注継続に加えて、画像処理、ディープラーニング、スマートファクトリーなどを戦略分野として新規顧客獲得に注力している。
20年4月には、ABINIT-MPフラグメント分子軌道(FMO)計算ソフトウェアを用いた新型コロナウイルス関連タンパク質に対する相互作用解析等を、スーパーコンピュータ「富岳」に実装できるようにプログラムの移植、開発および最適化、性能評価の研究開発支援を開始した。
20年9月には、ライフコーポレーション<8194>の「ライフ」各店舗の業務用タブレット端末として、自社開発の堅牢かつ高性能なタブレット端末(EDGE-PAD104C)が採用された。またデータアセットマネジメント事業を展開するAOSデータと、データ喪失時の復旧サービス(サルベージ)事業で業務提携した。
なお10月2日にはアズワンとの資本業務提携に基づく協業活動の進捗として、アズワンが運営するWEBショップ「AXEL」において、当社製品・サービスの販売を開始したと発表している。
■21年6月期増収増益予想
21年6月期業績(非連結)予想は、売上高が20年6月期比10.1%増の52億円、営業利益が5.7%増の5億05百万円、経常利益が6.4%増の4億95百万円、純利益が7.3%増の3億30百万円としている。
期前半は新型コロナウイルスによる企業活動の停滞、意思決定の遅れ、投資意欲減退などを想定しているが、HPC事業では計算化学に特化したクラウドサービスの提供、計算化学分野のソフトウェア開発、販売の強化、システム販売における新しいシステムインテグレーションの導入、CTO事業では画像処理など戦略分野における新たな付加価値提供などを推進し、業績向上を図るとしている。
技術力と営業力を軸とした競争優位性を活かして市場開拓を推進する方針だ。収益拡大を期待したい。
■株価は6月の上場来高値を目指す
株価は8月の直近安値圏から反発して水準を切り上げている。自律調整を交えながら6月の上場来高値を目指す展開を期待したい。10月6日の終値は2785円、時価総額は約117億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)