スタッドレスタイヤは太いほうが効く? 細いほうが良い? 太さ選びのポイントは
2020年10月7日 07:37
10月に入り、そろそろ雪国ではスタッドレスタイヤの心配が必要な季節になった。スタッドレスタイヤを選ぶ時に、タイヤの太さを気にする人も少なくない。実際に雪道や凍った路面でのグリップ性能はタイヤの太さに関係する。しかし、基本的にスタッドレスタイヤ選びは純正サイズが安心だ。
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雪国において、スタッドレスタイヤはホイールとセットで購入することがほとんどなので、インチアップやインチダウンに拘った選び方をする人がいる。しかし、その多くはインチダウンして少しでも安くすることが理由だ。また、どうせインチダウンするならタイヤ幅も細くして、さらに安くスタッドレスタイヤを購入しようと考える人もいる。
しかし、このスタッドレスタイヤの太さは、雪道や凍った路面でのグリップ力に大きな影響を及ぼす。一般に言われているのは、細いほうが効くという話だが、これは半分正解だ。
というのも、この細いタイヤのほうが雪道で効くというのは、昔のスパイクタイヤの頃言われていた話だ。それはタイヤに刺さっているスパイクのピンが氷や雪に刺さって食い込むことで、グリップしていたからだ。そこで、太いタイヤより細いほうが路面と接するスパイクに大きな力が加わることからよく効くと言われた。
しかし、スタッドレスにはスパイクのピンはない。タイヤのゴムの面が全て雪道や凍った道に接していることからスパイクタイヤと効果が異なるが、雪道の場合はスパイクタイヤと同じと考えて良い。
雪道をスタッドレスタイヤで走行する時は、雪にタイヤを食い込ませて走る必要があるからだ。そのため、路面への接地圧が高い細いスタッドレスのほうが滑りにくいタイヤと言える。
ただし、凍った路面では細いスタッドレスタイヤより太いスタッドレスタイヤのほうがグリップ力が増す。これは、しっかりとタイヤのゴムをアイスバーンに密着させる必要があるからで、タイヤを食い込ませるのではなく摩擦力で止まるためだ。
雪道は、一定ではなく圧雪路もあればアイスバーンもある混在した道路が普通だ。このような路面状況を走行するには、スタッドレスを細くしたり太くしたりしないほうが良い。
雪道を安全に走行するなら、スタッドレスタイヤの極端なサイズ変更はせずに純正サイズを選ぶのが無難だ。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る)