台風に伴う竜巻の発生メカニズム解明 新型のフェーズドアレイ気象レーダー
2020年10月2日 09:08
気象庁気象研究所が9月29日、台風に伴う竜巻の発生メカニズムを解明したと発表した(気象庁気象研究所リリース、日経新聞)。 2019年の台風19号接近時となる10月12日に市原市で発生した竜巻を、千葉市にある新型のフェーズドアレイ気象レーダーが捉えていたという。このとき得られた高頻度・高解像度のデータを元に解析を行った結果、発生メカニズムを掴むことができたという。 気象庁気象研究所のリリースによると、台風の中心から400~500km離れた外側の降雨帯において、ミニチュアスーパーセルと呼ばれる竜巻を発生させやすい積乱雲が形成され、高度およそ1kmよりも上空にメソサイクロン(直径1.3~2.4kmの反時計回りの渦)を伴いながら、北西に進んでいた。 積乱雲の後面で形成された下降気流に伴って、メソサイクロンの下方に、直径1km未満の小さな反時計回りの渦が作られた。この渦は上方に進展してメソサイクロンと結合し、強化された。結合から強化に至る過程は1~2分という短時間で生じていた。 強化された反時計回りの渦は、さらに1~3分程度で下方に成長し、被害域にて地面に達する竜巻となった。 とのこと。台風によって発生していた積乱雲内に存在していた渦と、その下部で発生した小さな渦が結合した結果、小さな渦が急激に強くなって竜巻が発生したのだとしている。