オートライト義務化 薄暮時には早期ライト点灯を
2020年9月16日 11:40
2020年4月から、新型車はオートライトが義務化となり、継続生産車も2021年10月からオートライトの装着義務が適用となる。だが現状は、まだまだオートライトの装着車はそれほど多く走っておらず、クルマのライト点灯はドライバーの意思にゆだねられている。
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オートライトが義務化となった要因の1つは、ライト点灯のタイミングが人それぞれまちまちで、かなり暗くならなければ点灯しない人も少なからず存在することだ。道路交通法では、日没から日の出までを夜間と定め、車幅灯、前照灯、尾灯、その他の灯火を点灯しなければならないとある。
実際、日没になってもすぐに辺りは暗くならないので、クルマのライトを日没で点灯させる人はそれほど多くないと、JAFが2014年に行ったアンケートで結果がでている。
また近年のクルマは、メーター類が自発光型となり、夜間でも明るく見やすいことに加え、街灯が明るいために、自車のライト点灯を忘れてしまう人が多い。
そこでオートライトが義務化の運びとなったが、今までは各自動車メーカーにより、点灯時期にばらつきがあった。そこで国土交通省では、オートライトが点灯する時期を照度として数値化し、1,000ルクス未満の場合と定めた。
1,000ルクスといわれても、どの程度なのかイメージできる人はいないだろう。そこで、クルマに乗り1,000ルクスがどの程度なのか、JAFでは照度計をクルマにセットして実験している。
実際に1,000ルクス近い状態になると、周りを走るクルマは風景に溶けこむような状態となる。そして、ブレーキランプを点灯したクルマは、周りに比べてその明るさが良く目立つようになる。これが1,000ルクス程度ということが実験結果で分かった。
また、西日に向かい走行しているときも注意が必要という。西日に向かい、日が差し込んだ道路では明るく感じるが、日没が近くなると照度がかなり落ちているという。
このことから、オートライトが装備されないクルマも、周囲の光が明るいと感じたらライト点灯するよう心がけたい。特に9月になれば日没後からあっという間に辺りは暗くなる。ライト早期点灯の狙いは、運転する人が視界を確保するためではなく、相手に自分を発見してもらうことであることを忘れないようにしたい。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る)