建設受注に底打ちの兆し 建設業ETFは10%超の伸び

2020年9月14日 07:04

 10日、8月分の月次受注が建設大手で相次いで発表された。前年同月を下回ったのは三井ホーム(1%減)のみで、全体的に受注が回復した。コロナショックで受注が低迷していたが、底打ちの兆しがみられる。

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 〇建設大手8月分受注 前年同月比一覧
 ・タマホーム 39%増
 ・住友林業 18%増
 ・ミサワホーム +9%増
 ・大和ハウス工業 +1%増
 ・積水ハウス ±0
 ・三井ホーム 1%減

 上位3社では特に住宅の受注が回復を牽引した。住友林業は賃貸住宅、リフォーム共にマイナスだったが、戸建注文住宅が26%増となり、全体でもプラスとなった。ミサワホームは賃貸住宅が17%減となったが、戸建住宅とリフォームの回復がマイナス分を埋めた。

 ただし、通年ではプラスとなっているのはタマホームのみで、他5社はマイナス圏にある。

 〇建設大手 累積受注 前年比一覧
 ・タマホーム 14%増(5月決算)
 ・ミサワホーム 10%減
 ・住友林業 13%減(12月決算)
 ・大和ハウス工業 14%減
 ・積水ハウス 15%減(1月決算)
 ・三井ホーム 23%減

 タマホームは5月決算だが、2020年4~7月はマイナスとなった月がない。前期の受注が低調(通年で3%減)であったことが影響しているようが、同社の低価格商品がコロナ禍で選別された可能性はある。他5社は同期間のマイナスが大きく、8月単月では補いきれていない。

 そもそも建設業の受注には季節性があり、受注は3月に集中する傾向がある。8月の受注は低調だ。本格的な回復は1~3月期の受注にかかっているだろう。

■建設業ETFは8月+10.48% 対TOPIXで9%超アウトパフォーム

 〇8月の株価リターン
 ・(1619)建設・資材ETF +10.48%
 ・TOPIX +0.81%
 ・日経平均 +6.59%

 建設業ETFは8月に10%以上上昇した。市場全体も概ね堅調であったが、建設業がアウトパフォームした格好だ。業績の回復を見込んだ買いが入っているようだ。

 建設業は裾野が広い業種だ。建設業が回復すれば経済全体にもプラスの影響があるだろう。(記事:ファイナンシャルプランナー・若山卓也・記事一覧を見る

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