Huawei、独自OS「HarmonyOS」をオープンソース化しスマホにも投入する計画
2020年9月12日 08:55
headless 曰く、 Huaweiは10日に開催した開発者会議「Huawei Developer Conference 2020 (Together)」で独自OS「HarmonyOS」の最新版HarmonyOS 2.0を発表し、オープンソース化してスマートフォンにも投入する計画を示した(プレスリリース、 Yicai Globalの記事、 The Vergeの記事、 SlashGearの記事)。
HarmonyOS 2.0は中国のオープンソース基金「開放原子開源基金会 (OpenAtom Foundation)」に寄付され、IoT向け(RAM 128KB~128MB)のソースコードが「OpenHarmony」として既に同日から公開されている。2021年4月にはRAM 128MB~4GBのデバイス向け、2021年10月には4GB以上のデバイス向けのソースコードを公開する計画だという。スマートフォン向けのHarmonyOSベータ版も段階的な提供を計画しており、当初は中国の開発者向けに年内提供開始するとのこと。HuaweiコンシューマービジネスグループCEOのリチャード・ユー氏は、来年にもHarmonyOSを搭載したスマートフォンが登場する可能性を示した。
Huaweiは最悪の事態に備えて何年も前から独自OSを開発していたが、昨年5月に米商務省安全保障局(BIS)の輸出規制リストであるエンティティリストに追加されて以降、最悪の事態は現実になりつつある。BISは既存製品のサポートに必要な場合に限って輸出管理規則(EAR)対象テクノロジーを入手可能な一時的な一般ライセンス(TGL)をHuaweiに発行していたが、今年8月に失効した。これにより、Androidスマートフォンの既存モデルを更新する形でGoogleサービスを搭載した「新製品」を発売する、という抜け穴も塞がれたことになる。
昨年8月に発表したHarmonyOSはGoogleとの関係に配慮してスマートフォンには搭載せず、これまではIoTデバイス向けのOSとして使用していたが、その配慮も今後は必要なくなる。HuaweiはGoogle Mobile Services(GMS) Coreに代わるサービスとしてHuawei Mobile Services(HMS) Coreを展開しており、独自アプリストアAppGalleryとHMSのエコシステムは拡大しつつあるという。AppGalleryにはHMS Coreを統合した96,000本以上のアプリが公開されており、全世界でのアクティブユーザーは4億9,000万人以上、今年1月から8月までのダウンロード件数は2,610億件に達したとのことだ。
なお、GoogleはHuaweiのエンティティリスト追加直後から、Androidを輸出制限から外すようBISと交渉していると報じられていたが、成功はしなかったようだ。一方、Microsoftは「マスマーケット向けソフトウェア」をHuaweiに輸出可能なライセンスを取得しており、HuaweiはWindowsを搭載したMateBookシリーズの新モデルを10日に発表している。