ソフトバンクGが後場一段安、一時8%安まで下げ、日経平均を1銘柄で100円近く引き下げる

2020年9月7日 14:46

■米ハイテク株のコール保有とされNY株急落のため憶測膨らむ

 ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)<9984>(東1)は9月7日の後場、一段とジリ安基調を強め、13時40分にかけては下落率が8%台に乗り5825円(509円安)まで下押す場面があった。14時にかけては5870円(464円安)前後で推移している。

 9月5日頃、米WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)などの報道として、同社が米ハイテク株のコール(買う権利)オプションを40億ドル(約4200億円)分購入している、などとと伝えられ、折悪しく米国株がダウ平均で3日に808ドル安、4日に159ドル安と急落したため、憶測を呼ぶ形になった。

 コールは、値動きの特性が一般的に現物株連動型で、売り買いの需給バランスによるが、現物株が上がればコールの値段も上がる。逆に、現物株が下がればコールの値段も下がる。さらに、一部の相対取引を除けば売買期限・行使期限があり、売買最終日などの期限が近づくにつれ、時間価値の減少の影響で値下がり圧迫が強まる。

 どのような戦法の投資かについては、「行使価格の低いコールを買い、行使価格の高いコールを売る「ブル・コール・スプレッド」という手法とみられ」「利益は少ないが外れた場合の損失も限定される」(日経QUICKニュースより)との報道がある。その一方、市場関係者の中には、「最初はコールの買いだけ実行し、雲行きが怪しくなってしまったためヘッジの意味でアウトサイドのコールを売りつけても形の上ではブル・コール・スプレッドになる」という。

 なお、同社株が日経225種平均株価への影響度の大きい銘柄であることはよく知られているが、これは主に日頃の値動き幅が大きいためだ。7日の後場、5870円(464円安)の場合、日経平均を97円前後引き下げている計算になるという。日経平均は14時にかけて95円安前後(2万3111円)のため、計算上は同社株1銘柄で日経平均が安くなっていることになる。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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