経産省、「DX銘柄2020」発表 いまさら聞けない「DX」とは
2020年8月27日 11:59
経済産業省と東京証券取引所は25日、「デジタルトランスフォーメーション(DX)銘柄2020」を発表した。
今回で6回目の発表となるDX銘柄は、「中長期的な企業価値の向上や競争力の強化」の視点から、「経営革新、収益水準・生産性の向上をもたらす積極的なITの利活用に取り組んでいる企業」(日本取引所グループHPから引用)を対象に、業種区分ごとに35銘柄が選ばれている。
■DX銘柄2020 選定銘柄の一部
・Zホールディングス(4689)
・NTTデータ(9613)
・Hamee(3134)
・セコム(9735)
・DeNA(2432)
・鹿島建設(1812)
・富士フィルム(4901)
・ユニチャーム(8113)
・ダイキン工業(6367)
・大日本印刷(7912)
■DXとは
経産省は「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」の中で、DXを以下のように定義している。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
つまりDXとは、企業がIT技術を取り入れることを指している。企業のIT化は以前から進められてきたが、なぜ今またDXが注目されているのだろうか。
■国策化したDX 政府が回避したい「2025年の崖」とは
経産省は2018年、「DXレポート」を公表し、事業部門ごとにシステムが構築されたことから、国内企業のITシステムが複雑化している問題を指摘した。
既存の複雑化したITシステムのままでは増え続けるデータの活用が困難であり、またシステム維持管理費の高額化やIT人材不足から、2025年以降に最大で年間12兆円の経済損失が発生すると試算する。同省はこれを「2025年の崖」と呼び、危機感を募らせている。
■GAFAMに遅れる日本はDXが喫緊の課題
政府は2019年、「デジタル時代の新たなIT政策大綱」を発表した。国内企業のデジタル化をより強く推し進める方針を明確にしたものだ。
同大綱では、これまでGAFAMのような巨大プラットフォーマーが席巻してきた時代を、「デジタル競争時代の第1幕」とし、これから新たな競争「第2幕」が始まるとしている。政府は、第2幕においても国内企業が海外企業に敗れる可能性を危惧している。
2025年の崖の回避に加え、国内企業の競争を支援する目的で、今DXが国策として注目されている。(記事:ファイナンシャルプランナー・若山卓也・記事一覧を見る)