ウイズコロナでの企業、「テレワーク体制出来ていない」4割

2020年7月28日 09:04

 新型コロナ感染症の広がりの中で日本の企業も大きく変ろうとしている。これまで長年指摘されてきた日本企業のICT化の遅れについても、緊急事態宣言のなかでテレワークの導入・実施といった形で急速な普及を見せた。急速な普及拡大の中で準備不足など多くの課題が浮き彫りにされたが、ウイズコロナ、アフターコロナの中でこれらの課題が一つ一つ解決され企業のデジタル化が加速することは間違いない。

 この点に関して、経営コンサルタント企業のタナベ経営が5月下旬から6月上旬にかけて全国の企業の経営層・管理職・監査職・一般社員459件をサンプルに「新型コロナウイルスの企業経営に与える影響に関する調査」を実施、22日にその集計レポートを公表している。

 レポートによれば、「コロナショックでマイナス・インパクトのリスクを抱えている」企業は95%と、ほとんどがコロナによるリスクを抱えている。内訳を見ると、「全面的かつ直接的にマイナス影響を受けている」企業は32%と3分の1にものぼり、「部分的かつ直接的にマイナス影響を受けている」が37%、「直接的な影響はないが、今後マイナス影響がでるリスクを孕んでいる」が26%となっている。「プラスに働いている」は3%、「影響はない」は2%のみだ。

 テレワーク体制とデジタル・コミュニケーション・ツールの活用に関して聞いた結果では、「全社的にテレワーク体制を敷いており、徹底している」は7%のみ、「部分的にテレワーク体制を敷いており、徹底している」は33%、「テレワーク体制は敷いているが、徹底できていない」23%で62%がテレワーク体制を敷いているものの2割は徹底されてはいないようだ。一方で、「テレワーク体制ができていない」が37%と4割近くも存在する。

 活用状況を見ると「活用はしているが、コミュニケーション不足・格差がある」が全体の62%を占め、6割超えの企業でツールを導入したものの十分活用できていないようだ。デジタル戦略のうち重要施策と考えているものを2つ挙げてもらった結果では、「デジタル・マーケティングの強化」が37%と断トツで多く、次いで「コミュニケーション・ツールの活用」の21%となっている。今後、営業のデジタルシフトを推進していく企業が急増して行きそうだ。

 レポートでは「経営を止めない、経済を止めない。持続可能なビジネスモデルを再確立するために、価値観のスクラップ&ビルドに果敢にチャレンジ」することが重要と指摘している。(編集担当:久保田雄城)

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