英語リーディングのテクニック 「スキミング」で要点をつかもう!
2020年7月28日 08:22
仕事や学校で、たとえば1週間の間に何冊もの英語の本を読んだ上、それにもとづいてレポートを書く必要が生じることもあるだろう。そういったときに役立つのが速読の技術だ。
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長い文章の全体を読まずに必要な情報を素早く得るためのテクニックには、「スキミング」と「スキャニング」の2つがある。今回は、要点をつかむスキルである「スキミング」について解説したい。
■スキミングとは
スキミングのskimとは「すくい取る」、「かすって行く」という意味だ。日本語で「流し読み」にあたるだろう。
スキミングの目的は、要点だけをつかみながら文章全体の大意をすくい取ることにある。たとえば資料の趣旨や、他の資料との共通点や違いを知ることで、その資料が精読の価値があるかどうか決められる。
このテクニックは、調査研究の際にいくつもの文献を素早く比較して取捨選択するために不可欠だ。TOEICなどのリーディングでも必須のスキルと言える。
では次に、英語の文章のスキミングで、要点を見つけ出す方法を紹介しよう。
■段落の最初と最後、太字や斜体だけを読む
最初に文章の大まかな構成を把握することから始めよう。目次や要約がある場合は、まずそこで全体を概観し、次に見出しや図表の表題にも目を通しておく。
続いて各章の導入の段落だけを読んで、残りの段落は最初と最後のセンテンスだけを読む。英語の文章では、これらの場所に重要なアイデアが書かれていることが多い。
さらにキーワードを含む文を探して、素早く目を通す。英語の文章では、キーワードを示すために太字、斜体やイタリック体、さらに箇条書きリストが使われるので、それらを目安にしよう。
リーディングのテストの場合、問題文の見出しや各段落の最初と最後の文を読んで、問題文の大意を把握すればよい。
■スキミングの注意点
スキミングの際には、重要な部分と重要でない部分で読むスピードを調整することが重要である。導入と結論の段落、キーワードを含む文、意味のわからない単語といった箇所では読むスピードを落とす必要がある。その他の部分は、ほとんど読んではいけない。
さらに時間が限られている場合には、ピックアップする項目を大幅に減らして読むスピードをあげるようにしよう。たとえば、各章の要約と太字・斜体で強調されている部分にだけ目を通すといったことも、1つの選択肢である。
最後にスキミングでは、見落としがあるかもしれない危険性をつねに計算に入れておかなければならない。重要な文が必ずしも段落の最初か最後に置かれているわけでもない。それでも1文ずつ丁寧に読んで、資料のほんの一部にしか目を通せなかったという結果に終わるよりは、得られる情報量は多いだろう。(記事:ベルリン・リポート・記事一覧を見る)