将棋・藤井棋聖の勝負マスク製造会社が祭り柄マスクを発売
2020年7月21日 18:39
将棋のプロ棋士で、将棋界最年少タイトル獲得記録を更新した藤井聡太棋聖(18)が、対局の際に着用していたとされるマスクを開発した会社として注目を集めている小杉織物(福井県坂井市)が、表面に日本各地の祭りの写真をプリントしたマスクの販売を始めた。マスクは予約販売で、インターネット公式サイトで注文を受け付けている。
小杉織物はもともと浴衣帯の老舗メーカーで、創業50年。現在は年間130万本の浴衣帯を製造し、国内シェアの約90%を占めている。しかし、今年に入って新型コロナウイルスの感染拡大で、浴衣帯の注文がほとんど途絶えたため、帯に使うシルク生地でマスクを生産することを思いついたという。
同社によると、シルクは除菌作用があり肌に優しいうえ、接触冷感の機能もある。さらに、帯の素材として「高密度不織布」の在庫が社内にあったため、新たな素材をほとんど用意することなくマスク製造に着手することができたという。
こうしてできた「洗える絹マスク」は、「通気性がよく息がしやすい」「ひんやりとした感触で快適」などと口コミでの評判が広がり、テレビなどでも紹介された。さらに藤井棋聖がタイトル戦の対局で「同社の夏用涼やか絹マスクを使っていたのではないか」と紹介されると、問い合わせが殺到し、現在は製造が追いつかない状態だという。
新たに販売される「日本のお祭りマスク」は、新型コロナウイルスの影響で全国各地の祭りが中止になっていることから、日本の伝統の祭りを盛り上げたいと発案。マスクの表地に祭りの写真を1枚ずつプリントしており、47都道府県分47種類。マスクの裏地はシルク生地で肌触りが良く、表地には洗ってもプリントが落ちにくいようポリエステル生地を使っている。通常のポリエステルより編み込みの間隔が広いため、通気性も良いという。
祭りマスクは1枚3300円で送料別。同社の通販サイトで予約を受け付けており、商品は28日から順次発送の予定。
また他のマスク製品も藤井棋聖人気で注文が殺到したため、21日に販売を一時中止。「夏用涼やか絹マスク」(1枚1980円)など一部商品のみの予約販売となっている。