英文法をマスターするにはシチュエーションの理解がカギ
2020年7月21日 07:35
英文法と言うと苦手意識を持つ人が多い。TOEIC等の試験対策のために、いやいや勉強している人も多いのではないだろうか。しかし、かつて学校で習った時と同じように、最初にいくつかのルールを覚え、それを穴埋め問題で確認するという方法ではなかなか生きた英文法は身につかない。
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英文法を効率的に身につけていくには、実際にそれが使われるシチュエーションをイメージできるかがカギである。
■文法が適用されるシチュエーションを理解すること
英文法は、記憶力に頼るような方法ではなかなか身につかない。問題集を何周もしたのに、いつも同じような問題で間違ってしまうという経験はよくあるのではないだろうか。それは、理解の伴わないルールを無理やり暗記しようとしているからに違いない。
そうではなく、同じ問題集を進めるのでも、そのルールがどのようなシチュエーションで使われるのかを理解しながら取り組む方が、効率的に覚えていけるだろう。
英文法を学ぶとは、法律家になるため司法試験に向けて法律を学ぶことに似ている。知らない人にとって、司法試験の勉強と言うと、法律を片っ端から丸暗記していくものと思いがちだ。しかし法律の条文を一言一句覚えるよりも、それが実際の裁判でどのように適用されたか、つまり、判例をどれだけ知っているかが重要になる。いくら多くの条文を暗記しても、それが実際にどのように適用されるのかを知らなければ司法試験には合格できないわけだ。
英文法の勉強も基本的にこれと同じことで、むやみにルールを覚えるのではなく、そのルールがどのような場面で使われるのかを理解することが重要である。
逆に言えば、「あるシチュエーションを描写するのにどんな文法を用いるのか」を考えながら、文法学習に取り組むことが大切だ。穴埋め問題をこなしているだけでは、なかなかこの段階には到達できない。できるとしても、時間ばかりかかって非効率と言わざるを得ないだろう。
■自分で文章を作りネット検索で確認
では、どうするのが効率的な文法学習になるかだが、やはり自分で文章を書くことが、文法が適用されるシチュエーションへの理解を深めるのに最適である。自分が言いたいことを表現するのにどんな文法が適用されるのか、それを考えながらライティングの練習をしてほしい。
わからない時はネットを検索すれば、ネイティブによる実際の例文がいくらでも見つかる。「この文章は正しいだろうか?」と不安な時は、いくつかの単語の固まりを「”」(ダブルクオーテーション)で囲って検索してみよう。それとまったく同じフレーズが多数ヒットすれば、高い確率で自然な表現と言えるだろう。
もちろん、ネット上の英語には非ネイティブによるものも多いし、ネイティブによるものでも文法的な誤りが見つかることは珍しくない。ただ、実際にどのようなシチュエーションで使われるフレーズなのかを理解するのに良い手助けになることは確かだ。
もちろん文法書の手助けも必要な時には借りるべきだろう。このような地道なやり方は、一見、非効率的に思えるかもしれないが、英文法をマスターするための最短ルートなのである。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る)