コロナ関連の破たん335件に 4分の1が東京都に集中 東京商工リサーチ
2020年7月18日 18:57
東京商工リサーチは17日、中国武漢市発・新型コロナウイルス感染症が主な原因で破たんした国内事業者数が、累計で335件に達したと発表。7月は17日時点で41件となり、100件を超えた前月を下回るペースながら、依然として高水準を維持。
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破たん事業者が圧倒的に多い東京都は国内最大の消費地でもある。新規感染者数の増加により外出自粛ムードが再び高まる中、Go Toトラベル事業から外れたこともあり、飲食業や宿泊業を中心に厳しい経営状況の長期化は避けられない。
東京都の発表によれば、16日から3日間連続で1日あたりの新規感染者数が280人を超えた。新規感染者数の増加は検査件数を増やしたことに起因するとのことだが、埼玉や神奈川など近隣県でも感染者が増えており、また重症化リスクの高い高齢者にも感染が広がりつつあることから、警戒感は強まっている。首都圏に所在する企業の間では、緊急事態宣言解除後に在宅勤務から出社する体制に戻したものの、再び在宅勤務へ切り替える動きが広がる。
東京都は15日、警戒レベルを最高水準に引き上げた。また、引き続き夜の街関連の事業者に対し、検査の実施を推奨する姿勢を維持している。一方、これまでの対応で財源の多くを支出したこともあり、休業要請までは踏み込んでいない。かかる状況下、政府は17日に東京都および近隣3県の知事に対し、感染予防策を取らない居酒屋等に対し休業要請するよう通知。政府と自治体との間でコスト負担の綱引きが続く。
新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間18日午後4時時点で1,410万人超、死者数は60万人を超えた。1日あたりの世界の新規感染者数は増え続け、直近1週間では約23万人と先週の20万人から更に増えた。アメリカ(前週比46万人増)、ブラジル(同24万人増)、インド(同21万人増)のほか、南アフリカ(同8万人増)、メキシコ(同5万人増)での感染者増が目立つ。
国別の累計感染者数は、アメリカの364万人超を筆頭に、ブラジル204万人、インド103万、ロシア75万人、ペルー34万人、南アフリカ33万人、メキシコ33万人、チリ32万人、イギリス29万人、イラン26万人が続く。感染症の震源地となった中国は16日、4~6月のGDPを発表し、成長率が前年同期比3.2%増で2四半期ぶりにプラスとなった。他国に先んじて経済を回復しつつある状況を示したものの、消費の戻りが遅れている点も露わにした。
かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数を集計した。17日17:00時点で335件に達し、このうち269件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理。破たん件数全体の約1/4にあたる83件が東京都で発生している。(記事:dailyst・記事一覧を見る)