リファレンス画像で知られるレナ・ソーダバーグさん、自身の画像データ使用中止求める
2020年7月17日 08:58
Lena Soderberg(レナ・ソーダバーグ)さんをご存じだろうか。画像処理の専門家の間では、アインシュタインが舌を出している写真と同じレベルで時代を超えた存在として知られている。当時21歳だった彼女は、1972年のPLAYBOY11月号に折り込みのヌードグラビアとして登場した。しかし重要なのはそこではなく、その写真が南カリフォルニア大学の研究者によって、写真をデジタル化するための標準テストイメージとして使われたことだ(HiperTextual)。 この研究は後にJPEG技術の基礎となった。45年以上経った現在でも、彼女の写真は画像圧縮アルゴリズムのサンプルとして使われ続けている。この功績から、彼女は1997年のIS&Tの50周年記念会議にゲストとして招かれたこともあるという。 ただデジタル技術の構築に著作権や肖像権を無視した画像が使われ続けてきたことは、テクノロジー業界の黒歴史だと指摘されることも多い。昨年にはこうした経緯と問題点を示したドキュメンタリー動画や記事も作成され公開されている(Losing Lena)。 そのレナ・ソーダバーグ本人が最近になって、自分の写真をインターネットから使わないようにすることを求めて署名を集め始めた。理由はやや分かりにくいところがある。先の著作権や肖像権的な問題というよりは、ヌードの彼女の写真(実際には顔周辺のバストアップのみだが)が使われ続けることは、テクノロジー業界にいかに女性が少ないかを示すことになる、という主張であるようだ(GouKoutakiさんのツイート)。 レナ・ソーダバーグは、サイト上で「私はずっと前にモデルを引退しました。私の画像もテクノロジーから引退する時です」と述べている。