乃木坂46 中田花奈の卒業に感じた違和感とは
2020年7月11日 21:48
乃木坂46の1期生、中田花奈が7月10日、アシスタントを務めるFMフジ『沈黙の金曜日』で卒業を発表した。
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年内で乃木坂を卒業し、その先は未定とのことだが、その卒業を発表したときの明るさ、清々しさから、パーソナリティーのアルコ&ピースも「本当か? マジか?」「泣けよ」というぐらい、からっとしたものであった。
中田花奈と言えば、乃木坂ではデビューから3作目までは選抜入り、2作目の『おいでシャンプー』ではフロントも経験している。だが、7thから17thまではアンダーに回り、自ら「(ポジションが)落ちていくアイドルは珍しい」などと自虐しながらも、独自の存在感を発揮。麻雀の冠番組も持ち、ビールのCMにも抜擢され、最近では「乃木坂工事中」でも頻繁に発言が取り上げられるなど、再び注目が集まっていたメンバーでもある。
ダンスは乃木坂でも3本の指に入る表現力で、音楽番組では必ずと言っていいほど抜かれるし、後輩たちからも慕われ、先輩・後輩の架け橋としての存在感も強かっただけに、卒業の衝撃は大きかった……。
と、言いたいのだが、今回の卒業発表には違和感があった。
通常、アイドルがグループを卒業すると言えば、寂しさや不安、悲しさや憤りなどの感情的なコメントが増えるものだが、今回は、そんなファンの心情を見てかどうかはわからないが、ラジオも麻雀番組も継続をコメント。関係者や共演者からも、ねぎらいの言葉こそあれ、惜別とか悲しみよりも「卒業後が楽しみ」という内容のコメントが、本当に多かったのである。
これは、先に卒業した井上小百合や、能條愛未のときもそうだったのだが、こと乃木坂46に関しては「卒業」というものが、本当にグループでの活動を卒業するだけのものであり、決してネガティブなものではないというイメージが、ファンや関係者に定着していると見たほうがいいように思う。
どのグループのメンバーも、卒業時には「悔いはない」とか、「前向きな卒業です」といったコメントをするが、どうしてもそれを紋切り型のコメントに見えてしまう部分がある。だが乃木坂の、特に最近のコメントに関しては、文字通り「今度は何をしてくれるんだろう」という期待を抱かせるものが多いのだ。
8年かけて作り上げてきた実績と信頼というものが、顕著に出てくるということは、すべてのアイドル運営、そしてアイドルが肝に銘じておくべきことだと思う。
ただ唯一の心配として、白石麻衣同様、このコロナ禍の中、卒業ライブの開催も見えてこないということだろう。
中田花奈と言えば、『アイドルはパフォーマンスしてナンボでしょ!』という名言を残し、事実、ライブで圧倒的なダンスパフォーマンスを見せつけてきたパフォーマーだけに、卒業ライブなしでの卒業は残念でならない。
どうしても無理なら、来年、再来年にでも、【宿題卒業ライブ】で送り出したいものだ。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る)