ストライク、19年9~5月期は営業利益22%増 大型案件12件成約も通期予想は据え置き
2020年7月1日 18:13
■売上高は3.9%増、純利益は25.4%増
ストライク(6196)は6月29日大引け後、20年8月期第3四半期累計(19年9月~5月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比45.9%増の50億円、営業利益は同77.6%増の21億円、純利益は同95.4%増の16億円だった。
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進捗率は、売上高は79%、営業利益は95%、純利益は94%となり、通期予想を上回る推移で業績を伸ばしている一方、業績予想の修正は行わなかった。
■大型案件の成約数が増加し業績牽引
コロナ禍においてもM&A市場は活況の様子を見せている。3QまでのM&A成約件数は97組で、前年同期の68組に比べて42.7%増加した。併せて大型案件(ストライクによると1組あたり1億円以上の成約報酬を大型案件としている)は12組の成約となり、前年同期の4組から大きく伸ばしている。
大型案件が多くなっている点においては、これまで小規模から中規模の中小企業案件を中心に取り扱ってきたストライクが、大きく舵を切っていると見られるため、今後の業績推移に期待を残した格好だ。コロナ禍を経て倒産企業も増加する中、M&Aに踏み切ろうとする企業経営者はこれから増加することが見込まれるため、M&A業界としてはここから更なる成長が見込める事業環境と言えよう。
■業績予想据え置きは先行きへの悲観からか?
期初の業績予想を達成する公算が高いストライクだが、コロナ禍の影響なのか業績予想を据え置いた点について少々気になるところ。実際、大型案件が成約している一方、新規案件数は会社計画より11件下回る254件となった。
コロナ自粛によって顧客とアドバイザーが面談できない状況が4月、5月と続いたことが主要因で、案件成約までに時間がかかってしまう恐れが高いからだ。また、コロナ自粛によって採用活動も停滞している。M&A業界は人材が命であるため、ストライクも人材確保に動いていたが、今期の採用は目標を下回る見通しだ。
業績に関して悲観的に考えているのか、保守的に見ているのかは定かではないものの、少なからず危機感を持っているということ。ストライクは新たに買収ニーズ企業に対する「プレマーケティングサービス」や、Webセミナーを活用し、活路を見出そうとしており、今後推移に注目したい。(記事:拓蔵・記事一覧を見る)