真夏の炎天下で温度上昇したクルマの車内を効果的に冷やす方法とは
2020年6月24日 06:47
外気温度が30度を超える炎天下にクルマを放置すると、車内の温度は、エアコンを切ってからわずか15分で30度を超え、1時間放置すると50度を超えることがJAFの試験で明らかとなっている。そこで効果的に温度を下げるには、車内の熱くなった空気を早く外に出して、急速にエアコンで冷却することが一番である。
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車内の温度上昇を抑えるために、サンシェードを使用する人も多いことだろう。確かに直射日光が車内に入らなければ温度上昇は抑えられるが、JAFが行った試験結果では、サンシェードを使っても使わなくても温度上昇にほとんど変化がなかった。
ただ、クルマのボディカラーが白より黒のほうが車内の温度が上がりやすいことは、ほとんどの人が予想している通りだ。白いクルマの場合であれば、サンシェードの有無による車内平均温度の違いは2度しかなく、黒いクルマよりもその効果は限定的だ。
この他に、よく行われるのが窓を少し開ける方法だが、この方法はサンシェードより車内温度上昇を抑えることが出来る。たった3cm程度の窓開けで、サンシェードを装着した場合に比べ車内の最高温度は5度程度下げることが出来たが、それでも45度まで上昇し、やはり人や動物が耐えられる温度ではない。
このことから、クルマを炎天下に放置している場合、温度上昇を防ぐためにサンシェードや少し窓を開けても効果は期待できないことがわかる。そこで、熱くなった車内を素早く涼しくするにはどうすれば良いかというと、熱せられた空気を早く外に放出することだ。
車内の温度を冷却スプレーにより冷やすことも出来るが、以前、熱くなった車内に冷却スプレーを吹きかけた後、エンジン始動で爆発したというツイートが話題になったことがある。JAFによれば、エンジンをかけたことが爆発につながったかどうか原因はわからないとしているが、スプレー缶にはLPGという可燃性のガスが使われているため、静電気などで引火した可能性があるという。
そのため、熱いからといって冷却スプレーを安易に車内に吹きかけるのは危険であり、車内に放置することも缶が破裂する危険があるため非常に危険だ。
そこで、車内を冷却するおすすめの方法は、クルマの窓を全開にし、エアコンをHiにして運転することだ。この時、空気導入は外気導入に切り替える。そして運転席のドアまたは助手席のドアを5回程度開け閉めすれば、車内の熱い空気は外に放出される。
ただし熱いからとクルマをそのまま放置すると、今度は車外の暑さでエンジンがオーバーヒートする恐れがあるため、ドアを開け閉めした後は、必ず走行することをおすすめする。走行すれば外気との入れ替えもスムーズとなり、1分ほど窓全開で走行すれば、車内は外気より低くなってくるはずだ。後は窓を閉めて車内循環にすればすぐに車内は冷えてくる。
エアコンを始動して最初の数分さえ我慢すれば、心地よい冷風で涼しくなるため、エアコンの外気導入を上手に使い、車内温度を下げるようにすれば良い。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る)