新型コロナ関連の破たん、271件に 6月は1日4件ペース 東京商工リサーチ
2020年6月21日 06:42
東京商工リサーチは19日、中国武漢発・新型コロナウイルス感染症で経営破たんした事業者数が271件に達したと発表。このうち6月の新規破たんは79件と1日4件ペースで、月末までに100件を超える勢い。
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破たん件数は2月に2件、3月に23件、4月に84件と伸長したのち5月は83件と落ち着いたように見えたが、再び増勢を取り戻した。地域別では東京都で61件発生しており、大阪府(24件)や北海道(17件)と比べ圧倒的に多いものの、福井県で初めて破たんが発生するなど、破たんの影響は国内全域に拡大中。
19日には県境を跨ぐ移動や接客を伴う店に対する自粛要請が全面解除。また、自民党は同日、第2次補正予算の目玉である家賃補助について、対象となる申請者に対し半年分を一括支給することを決定。経済復興に向けた制度等が整う一方、東京都の新規感染者数が増えたこともあり第2波リスクが認識される中、消費者のライフスタイルがコロナ前に戻るにはまだ時間を要す。観光業や飲食業を中心に資金繰りとの戦いは続く。
政府は19日、緊急事態宣言の解除後も控えるようアナウンスしていた一部地域での県境を跨ぐ移動について、自粛要請を全面解除した。また、繁華街のクラブなど接客を伴う飲食店や、ライブハウスといった感染リスクが高いサービスの提供に対する休業要請も解除。
経済活動のレベルが一段上がり、ホテルや新幹線等は夏以降の予約が増え始めた。一方、大手を中心に引き続き出張を原則禁止とする企業は多く、消費者においても感染リスクへの警戒から不要不急な外出を控える傾向は続く。
新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間20日午後5時時点で866万人超、死者数は46万人を超えた。アメリカ、ブラジル、インド等で感染者数が急速に増えており、直近1週間における1日あたりの新規感染者数は約14万人と、前週の13万人から増えた。国別の感染者数は、米国の222万人超を筆頭に、ブラジル103万人、ロシア56万人、インド39万、英国30万人、スペイン24万人、ペルー24万人、イタリア23万人、チリ23万人、イラン20万人が続く。
新型コロナウイルスの発生源となった中国は、都市のロックダウンや検査の実施など徹底した対策の実施により世界に先駆けて正常を取り戻したが、11日頃より北京で集団感染が確認されるなど、第2波が警戒されている。また、GDPの回復を目指す中国政府の意向を受けて一部の中国大手ECが18日まで実施した年央セールでは、トイレットペーパーやビール等の日用品が売れた。中国においても、消費者の景気の先行きに対する不安が見て取れる。
かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数を集計。19日17:00時点で271件に達し、このうち195件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理。業種別では、飲食業(42件)、宿泊業(36件)、アパレル関連(34件)が多く、これら3業種で約41%を占める。6月に入り飲食業の破たん件数の伸びが目立つ。(記事:dailyst・記事一覧を見る)