5月の派遣社員時給、新型コロナの影響でIT系など中心にアップが続く
2020年6月20日 08:34
求人サイトを運営するエンジャパンとリクルートジョブズが5月の派遣社員の時給動向を発表し、オフィスワークでは時給が下がったものの、新型コロナウイルスの影響もあり、IT系や販売系などでは時給の上昇傾向が続いていることが分かった。
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■新型コロナ対策でIT系の募集が増加
17日、「エン派遣」などの求人サイト運営するエンジャパンが5月の3大都市圏における派遣社員募集時平均時給レポートを発表した。2020年5月度の平均時給は1,585円で、前年同月比2円(0.1%)増となり、24カ月連続でプラスとなった。前月比は10円(0.6%)増。
時給が上昇した要因として、新型コロナウイルスへの対応でIT系の派遣社員を募集する案件が増加、特に経験者を集めるために時給の引き上げがあったとしている。
ただし、前年同月比は2019年12月の3.3%から5カ月連続で減少しており、来月に19年6月の1,583円を下回った場合、約2年ぶりにマイナスになる可能性もある。
■営業系や軽作業なども時給は好調、都市では東海のみ不振
職種別でみると、オフィスワーク系は1,551円で前年同月比24円(1.5%)減となったほか、クリエイティブ系は1,875円で同25円(1.3%)減、技術系は1,831円で同50円(2.7%)減、医療・介護系は1,299円で同5円(0.4%)減と、4つの職種でマイナスとなった。
一方、営業・販売・サービス系は1,505円で同27円(1.8%)増、IT系は2,270円で同5円(0.2%)増、また軽作業やドライバーなどを含めたその他は1,251円で同72円(6.1%)増となっている。
都市別では関東エリアが1,658円で同9円(0.6%)増、関西エリアが1,395円で同25円(1.8%)増と時給がアップしたものの、東海エリアは1,346円で同20円(1.5%)減とマイナスになっている。
■営業・販売・サービス系が好調、全ての都市でプラス
同日、「リクナビ派遣」などを運営するリクルートジョブズも3大都市圏の派遣スタッフ募集時平均時給調査を発表した。2020年5月度の平均時給は1,695円で、前年同月比59円(3.6%)増となり、2019年6月以来11カ月ぶりにプラスとなっている。前月比は88円(5.5%)増。
職種別でみると、唯一オフィスワーク系が1,511円で前年同月比20円(1.3%)減だったものの、営業・販売・サービス系が1,502円で同81円(5.7%)増、IT・技術系が2,085円で同31円(1.5%)増、クリエイティブ系が1,773円で同23円(1.3%)増、医療介護、教育系が1,482円で同42円(2.9%増)となっている。
都市別では、関東圏が1,775円で同74円(4.4%)増、東海圏が1,584円で同108円(7.3%)増、関西圏が1,521円で同48円(3.3%)増となり、いずれの都市圏でもプラスだった。(記事:県田勢・記事一覧を見る)