レクサス、コンパクトFRセダン「IS」に大規模な改良を加えた熟成モデル、世界初公開
2020年6月17日 07:34
レクサスのセダンラインアップのなかで、もっともコンパクトなFRスポーツセダン「IS」が「クルマを操る楽しさ」を追求し、熟成を図ってマイナーチェンジした。コロナ禍の影響で発表会などは行なわず、世界初公開は米国発のデジタル・プレスカンファレンス映像配信によって実施した。日本での発売は、2020年秋頃を予定する。
ISは1999年の初代モデル誕生以降、「クルマを操る楽しさ」を追求してきたモデルであり、コンパクトFRスポーツセダンを「ドライバーの運転感覚を磨き上げる砥石のようなクルマ」と位置付けている。ISはレクサスの乗り味の礎となるべく進化を続け、運動性能の高さとスポーティなデザインで、20年以上に渡って累計約109万台を販売してきた。
レクサスは独自の価値として、いずれのモデルでも、あらゆる走行シーンで減速、操舵、加速がシームレスに繋がる気持ち良さなど、ドライバーの意図に忠実でリニアな応答を追求してきた。今回発表の新型ISは、このようなレクサスとしての乗り味“Lexus Driving Signature”をより高い次元に昇華させ、次世代に継承していくモデルとして、Toyota Technical Center Shimoyamaをはじめとする世界各地で走り込み、走りの性能を鍛え上げた。細部まで徹底的にこだわり抜くことで、日常の走行シーンにおいても走りの気持ち良さを感じることができるモデルに仕上がったという。
具体的には走行試験の結果に基づきドライバーの入力に対する俊敏な応答性やバネ上の無用な動きの抑制など、路面状況や走行シーンに応じて徹底的にチューニングを実施。さらに、ステアリングやペダルの初期応答だけでなく、それを「戻す」際のコントロール性の向上に取り組むことで、一連の運転操作をより滑らかなものとした。
また、サイドラジエーターサポートの補強、フロントサイドメンバーのスポット打点追加、Cピラーからルーフサイドにかけての構造最適化などによりボディ剛性を高めて、ハンドル操作に対するレスポンスなど運動性能もアップさせ、ノイズや振動を徹底的に排除し乗り心地を向上させた。
新採用の19インチタイヤはコーナリングフォースを大幅に向上。さらにホイールの締結にハブボルトを採用し、締結力の強化と質量の低減を図ることで、気持ちの良いハンドリングとブレーキングを実現しているという。
加えてダンパーにはオイル流路に非着座式のバルブを設け、微小な動きに対しても流路抵抗による減衰力を発生させる「スウィングバルブショックアブソーバー」を採用。ダンパーのストローク速度が極めて低い場合でも減衰力を発揮することで、応答性が良く上質な乗り心地を実現したという。
エクステリアデザインは、ワイド&ローなフォルムにこだわったほか、高精度なプレス技術によってシャープな造形を実現し、アグレッシブな意匠とした。さらに、進化したLexus Safety System +などの先進安全技術も積極的に採用している。ボディサイズは全長×全幅×全高4710×1840×1435mmとなり、従前のモデル比で30mm長く、30mm広く、5mm高いアピアランスとなった。
パワーユニットは3種、最大排気量の3.5リッターV型6気筒に加え、2.5リッターハイブリッドモデルはアクセル開度に対するエンジンとモーターの駆動力制御を変更。2.0リッターターボモデルではドライバーのアクセル開度などから走行環境を判定し、シーンに応じて適切なギヤ段を設定するアダプティブ制御を採用し、よりドライバーのアクセル操作や意図に対してリニアなレスポンスを実現した。(編集担当:吉田恒)