新型コロナ関連の経営破たん、244件に 月100件の勢い 東京商工リサーチ
2020年6月13日 19:52
東京商工リサーチは12日、中国発・新型コロナウイルス感染症で経営破たんした国内事業者数が244件に達したと発表。コロナ関連の破たん件数は4月まで加速度的に増えた後、5月は増勢が鈍化したものの、6月は月100件ペースと再び勢いが増している。
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地域別では東京都、大阪府、北海道、静岡県および兵庫県の5都道府県で全国の半数近くを占めるが、長崎県で今週初めて経営破たんが発生するなど、破たんの波は国内全域に広がる。12日には中小企業向け家賃補助などのコロナ対策を中心とした2020年度第2次補正予算が成立したが、1次補正予算の執行も進んでおらず、企業経営を支援するための給付が追いついていない。
2020年度2次補正予算が12日、参院本会議を通り成立した。2次補正は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け資金繰りに窮す企業の支援を重視したもの。具体的には、売上が急減した中小企業に対する上限600万円の家賃支援給付金や、雇用調整助成金の日額上限1万5000円への引き上げなど。
過去最大規模の補正予算が組まれた一方、1人10万円の特別定額給付金や休業者を支援するための雇用調整助成金などを柱として、4月30日に成立した1次補正予算の執行は、進捗が芳しくない。申請する中小企業側においては不慣れな書類を数種類用意する必要があり、申請を受け付ける行政機関側では職員の手作業による確認手続きに時間がかかっている。多くの地方自治体は、財源不足や人材不足を理由にペーパーレスや手続きの簡素化といった改善を長年怠ってきたツケが現れている。用意された支援制度がスピーディに執行されなければ企業を救うことはできない。
新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間12日15:00時点で765万人超、死者数は42万人を超えた。直近1週間では、1日あたり約13万人もの新規感染者が確認されている状況。国別の感染者数は、米国の204万人超を筆頭に、ブラジル82万人、ロシア51万人、インド30万、英国29万人、スペイン24万人、イタリア23万人、ペルー21万人、フランス19万人、ドイツ18万人が続く。米国では第2波への警戒感が高まり、11日にはダウ平均が1,861ドルも下落した。
コロナの感染源とされる中国は、世界各国がコロナ対応に追われる状況下でも、自由な言論の封じ込めや世論操作に積極的。コロナによる外出自粛で急速に利用が普及したビデオ会議システムZOOMは11日、中国政府からの要請を受け米国で活動する人権活動家へのサービス提供を一時ストップさせたと発表。またツイッターは11日、中国共産党の世論誘導に使用された不正アカウント2万3,750件を削除したと発表している。
かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスの感染拡大に関連する経営破たん事業者数を集計した。12日17:00時点で244件に達し、このうち172件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理。業種別では、飲食業(37件)、宿泊業(35件)、アパレル関連(29件)が多く、これら3業種で約41%を占める。これが3業種以外でも、建設業や冠婚葬祭業など幅広い業種で破たんが確認されている。(記事:dailyst・記事一覧を見る)