人気時代小説『みをつくし料理帖』映画化、角川春樹“生涯最後”の監督作&松本穂香が女料理人に

2020年6月10日 17:04

 映画『みをつくし料理帖』が2020年10月16日(金)に全国公開予定。制作・監督は、角川春樹が務める。

■ベストセラー時代小説が映画化

 原作は、髙田郁による同名時代小説。大洪水によって両親を亡くした主人公が、女料理人として運命を切り開いていく成長と、幼馴染との不変の友情を描いたハートフルな物語だ。

 これまで発売されたシリーズ全10作は、累計400万部を超えるヒットを記録。2012年以降は、北川景子を主演に迎えたスペシャルドラマや、黒木華を主演に迎えた連続ドラマが放映され話題を呼んだ。

■キャスト

 澪(みお) - 松本穂香
大阪の大洪水で両親を亡くす。「何があってもずっと一緒や」と約束を合わす幼馴染野江(のえ)がいたが、大洪水によって、子供の頃に生き別れとなる。その後、天性の料理の才を見出され、江戸・神田にある蕎麦処「つる家」の店主・種市の計らいで、江戸時代の女性でありながら料理人として働く。江戸の味にもなじめず、数々の困難に立ち向かいながらも料理に真摯に向き合う料理人。主人公の澪を演じるのは、ドラマ「この世界の片隅に」で主演を演じる松本穂香。

 野江(のえ) - 奈緒
澪の幼馴染。野江もまた両親を失い、路頭に迷う中、遊郭(ゆうかく)に身を置いた。そして幼き頃の悲劇から十数年後、江戸の吉原で頂点を極める花魁(おいらん)・あさひ太夫になっていった。遊郭とは遊女屋を集めたエリアのことで、花魁とは遊女の中で位の高い人。野江役はNHK連続テレビ小説「半分、青い。」で注目を集めた奈緒が艶やかに演じる。

 永田源斉 - 小関裕太
下町から遊郭・吉原まで幅広く評判が良い町医者。患者からは「源斉先生」と親しみを込めて呼ばれている。「食は人の天なり」という本作のキーワードともなる言葉を、澪に対し説いていく。映画『曇天に笑う』やドラマ「来世ではちゃんとします」で好演した小関裕太が演じる。

 種市 - 石坂浩二
江戸・神田にある蕎麦処「つる家」の店主。澪の料理人としての才能を見いだす。

芳 -若村麻由美
大阪の名料理店「天満一兆庵」の元女将。澪を両親が亡くなった後に助ける。江戸では澪と長屋で暮らし、澪“はご寮さん”と慕っている。

おりょう - 浅野温子
澪と芳が暮らす長屋の隣人。

清右衛門 - 藤井隆
戯作者。物語の重要な役割をになう。

 小松原 - 窪塚洋介
御膳奉行で「つる家」の常連客。さらに主人公・澪に料理の基本とは何かを考えるきっかけを作る。演じるのは映画『沈黙-サイレンス-』の窪塚洋介。

又次 - 中村獅童
あさひ太夫(野江)を守る男。吉原の翁屋の料理番。強面の男で、吉原で頂点を極めるあさひ太夫のために澪の看板料理を作ってくれと頼む。これをきっかけに澪と野江の運命の歯車が動き出す。

伝右衛門 - 永島敏行
伝右衛門は、あさひ太夫のいる翁屋の楼主(ろうしゅ)。楼主とは今でいう経営者のこと。

 水原東西 - 反町隆史
大坂で評判の有名易者。易者とは現代でいう占い師のことであり、主人公・澪と野江の手相を占い、物語の鍵を握る“易”を見出す。映画『座頭市 THE LAST』や大河ドラマ『八重の桜』など、時代物にも縁が深い反町隆史が演じる。

 清八 - 野村宏伸
つる家の食にうるさい常連客。「ありえねぇ」が口癖の江戸っ子。演じるのは、映画『キャバレー』で角川春樹事務所創立10周年記念作品に出演した野村宏伸。

 卯吉 - 村上淳
大阪の遊郭(ゆうかく)に出入りする女衒(ぜげん)。女衒とは、いわゆる人身売買のブローカーのこと。村上淳は『みをつくし料理帖』が角川春樹監督作初出演だ。

■角川春樹“生涯最後”の監督作

 映画『みをつくし料理帖』は原作小説の刊行10周年を記念した、初の劇場版。メガホンを握るのは、映画『犬神家の一族』『セーラー服と機関銃』『時をかける少女』など、1970年代からの“映画の黄金時代”を築き上げた巨匠プロデューサー角川春樹。今年で77歳を迎える角川が、“生涯最後”の監督作として、制作・監督を務める。

■角川映画常連の大物女優も参加!

 劇中には、そんな“角川映画”で長年重要な役割を担ってきた、薬師丸ひろ子、 原田知世が特別ゲストとしても出演。薬師丸ひろ子が演じるのは、藤井隆演じる戯作者・清右衛門の 妻・お百。そして渡辺典子は 「つる家」の客・お満を演じる。

■『みをつくし料理帖』あらすじ

 時は、享和二年。大坂。8歳の澪(みお)と野江(のえ)は、暮らし向きが違えども仲の良い幼馴染。「何があってもずっと一緒や」と約束を交わす二人。その約束の夜に大坂に大洪水が襲う。大洪水で両親を亡くし、澪は野江とも離れ離れになる。

それから時は流れ、江戸・神田にある蕎麦処「つる家」に、女料理人として働いていた。試行錯誤の日々を過ごしていたが、数々の困難に立ち向かいながら、やがて看板料理を見出し、「つる家」はたちまち江戸でも評判になっていく。

店にある日、吉原の翁屋で料理番をしている又次がやってきた。吉原で頂点を極めるあさひ太夫のために澪の看板料理を作ってくれと頼むのだった。そして、この日を境に運命の歯車が動き出す。果たして、澪と野江は再会を果たせるのか?幾度となく訪れる艱難辛苦を乗り越えながら、料理に真摯に向き合い、運命を切り開いていく女料理人の成長と、不変の友情を描いた爽快な物語が描かれる。

 ■作品概要
映画『みをつくし料理帖』
公開時期:2020年10月16日(金)
出演:松本穂⾹、奈緒、若村⿇由美、浅野温⼦、窪塚洋介、永島敏⾏、藤井隆、野村宏伸、衛藤美彩、村上淳、榎⽊孝明、⿅賀丈史、⽯坂浩⼆、中村獅童、反町隆史
製作:角川春樹
監督:角川春樹
脚本:江良至、松井香奈、角川春樹
主題歌:手嶌 葵「散りてなお」
作詞・作曲:松任谷由実
原作:「みをつくし料理帖」髙田郁 ハルキ文庫

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