コロナ禍で輸入車の売上が大幅ダウン、リーマン超えの影響から立ち直れるか

2020年6月6日 09:17

 6月4日、日本自動車輸入組合は、2020年5月における海外メーカーの乗用車新規登録台数を発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響により各社軒並み売上を落とす結果になっており、今後の改善策が望まれるところだ。

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 2020年5月分において、最も新車登録台数が多かったのはメルセデス・ベンツだが、前年同月と比べて40.7%減と大きく落ち込んだ。次点であるフォルクスワーゲンは前年同月比57.4%減、BMWも同53.9%減と半分にも満たない。

 もっともメルセデス・ベンツの販売台数はこれで6カ月連続、BMWは9カ月連続でマイナスとなるなど、コロナ禍以前から輸入車の需要ダウンが目立っていた。だが4月7日から5月25日までの緊急事態宣言発令により、販売台数の落ち込みに拍車がかかったと考えられる。

 前年同月と比べて売上を伸ばしたメーカーは、88.9%増のフェラーリ、33.3%増のロータスといったスポーツカーを中心としたところ。輸入車全体で見れば、前年同月比46.6%減と過去に見ないレベルの落ち込みで、深刻な需要ダウンがうかがえる。

 新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の期間中は、各社とも積極的な営業活動はできず、消費者側にとってもディーラーなどへの来店は不要不急の外出にあたると考えた人が多いだろう。以上からコロナ禍による輸入車産業全体への影響は大きかったようだ。

 リーマンショック時の2008年度の輸入車販売台数も、世界的な経済への打撃の影響を受けているが、それでも前年度と比べると20%強の減少だった。過去に類を見ない輸入車産業への打撃から立ち直るには、抜本的な改革が必要と考えられる。

 しかしコロナ禍の影響があっても、輸入車の魅力は変わらない。メルセデス・ベンツやBMWなどにあるデザインと走行性能の両立や、フォルクスワーゲン「ID」シリーズのようにこれから展開する新たなEVなど、国産車との差別化自体は明らかだ。未曾有の危機を乗り越える販売戦略に、各メーカーの真価がかかっているだろう。り

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