新しい学習指導要領で小学校教育はどう変わるのか
2020年6月4日 11:33
2017年に改訂された学習指導要領は、全国の小学校においては、この4月から新しいカリキュラムが導入されるはずでした。しかし、新型コロナ感染症の影響によって、新学期の始業が遅れたこともあり、変則的な導入となりそうです。6月から学校が再開される地域が多い中、あらためて何が変わるのか、どう変わるのか、内閣府が制作した動画を参考に、ふりかえってみたいと思います。
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■キャッチフレーズに込められた思い
この4月から始まるはずだった、新しい学習指導要領のキャッチフレーズは、「生きる力 学びの、その先へ」です。グローバル化、人工知能の発展、環境破壊、人口増加と食料不足問題、世界的な高齢化社会の到来など、現在の小学生たちが社会人になった時に直面するであろう難題について、課題を発見し、解決策を見出すための基礎力を、今から段階的に学んでいこうとするものです。
これは、視点をかえれば、一人では解決することのできない問題について、各自が専門分野を磨き、その知見を結集して起こしたイノベーションによって問題を解決する、そうした思想が根底にあります。
■大きな改訂ポイント
他のメディア等でも数多く取り上げられていますが、アクティブラーニング方式の学習が取り入れられたり、プログラミングを学習したりする点が上げられます。キャッチフレーズの意味するところが、この2点に凝縮されていると言っても過言ではないでしょう。
■プログラミング学習とアクティブラーニング
プログラミング学習やアクティブラーニングという言葉は、何度も耳にする機会があっただろうと思います。しかし、今の大人は経験したことのない学習内容、あるいは学習方法ですので、イメージしにくいものです。そこで、内閣府が制作した動画がありますので、ご紹介します。
2020年度、子供の学びが進化!! よくわかる“新学習指導要領”(政府インターネットテレビ)
■動画が伝えようとしたこと
動画では、新しい英語学習について触れた後、プログラミング学習の事例が紹介され、アクティブラーニングの様子が紹介されます。この3つに共通するのは、子供が自分で考え、調べ、話し合い、発表する、というプロセスです。
従来のような受身的な学習ではなく、主体的に、深く学ぶことができるように工夫されています。
そして、私たち大人世代との大きな違いは、(答えのない)未知の問題に対し、知恵を出し合い、最適解を見出す、という習慣を身につけさせようとしているところです。このプロセスこそが、将来に起こるであろう環境変化をうまく乗り越えるための基礎的な力だからです。