日経平均3カ月ぶりの高値 経済が安定しないときに気をつけるべき投資家心理5選

2020年5月28日 07:41

 5月27日の日経平均株価は3日続伸し、終値は前日比148円6銭高の2万1,419円23銭の値をつけた。日本で新型コロナウイルス感染拡大が本格化する直前だった2月27日以来、3カ月ぶりの高値だ。コロナショックによって、一時1万7,000円台まで急落していた日経平均株価が、急速に息を吹き替えしてきた。

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 しかし、コロナショックが完全に終息したわけではない。株価の動きは、不透明感が強い。株価の急落や急騰に惑わされ、損をしてしまう投資家も増えるだろう。

 株価の動きが不安定なときこそ、投資の際に人間の心がどう動くのかを研究しまとめた、行動経済学の知識が役に立つ。今回は、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの研究から、損を生み出す投資家心理を紹介する。

■行動経済学とは?
 行動経済学とは、人間の経済行動を心理的側面から研究した学問のことだ。経済学では、人は合理的に行動することが前提となっている。しかし実際には、人の行動は非合理なことばかりだ。だから投資で失敗する人が、後を絶たない。

 行動経済学では、学問と現実との差に着目した。経済活動において、なぜ人は合理的に行動できないのかを心理的側面から研究したのが、行動経済学だ。

■プロスペクト理論
 行動経済学研究の先駆け的な存在として、ダニエル・カーネマンが有名だ。彼の研究の中でも、プロスペクト理論はよく知られている。

 プロスペクト理論とは、人は得する喜びよりも、損する苦痛を強く感じるというものだ。そのため人は、利益を得ていたら損失を回避しようと利確を急ぎ、逆に損をしていれば損を取り戻そうと、大きなリスクを取ろうとする。

 心当たりのある投資家は、多いのではないだあろうか?投資活動における人の心理動向を知っているだけでも、投資をより有利に行える。

■知っておくべき投資家心理5選
 本記事では、損を抑えるために知っておくべき投資家心理を5つ紹介する。

(1)「損失回避」: 損をすることに敏感で、損を回避しようとする。早すぎる利確や遅すぎる損切りにつながる。

(2)「サンクコストバイアス」: 労力や時間、お金をかけたものを手放せなくなる。損が出ている株を買い続け、損を膨らませてしまう。

(3)「主観確率」: あまり起きないことでも、自分には起きると思い込んでしまう。根拠がないのに値上がりを強く期待したり、暴落するリスクを極度に恐れたりする。

(4)「決定麻痺」: 情報が多すぎると判断、決定ができなくなる。情報を集めすぎて、判断ができなくなり、売買のタイミングを失ってしまう。

(5)「メンタルアカウント」: お金に色をつけてしまう。投資で得たお金を、働いて得たお金より軽く見てしまい、損を大きくすることにつながる。

 投資の際には、ぜひ自分の心の動きにも着目してほしい。 (記事:たけお・記事一覧を見る

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