Wikipedia、編集者同士の対立を解消するための新しい行動規範策定へ
2020年5月27日 19:04
Anonymous Coward曰く、
Wikipediaが、今年中に「toxic behaviour(有害行動)」と戦うための新しい行動規範を制定するという。Wikipediaはボランティアによって記事の執筆や更新が行われているが、多くの女性、特にLGBTQコミュニティのメンバーは、ほかの編集者から虐待や嫌がらせを受けていると訴えている。新しい行動規範はこうした問題に対処するためのものだそうだ。
新しい行動規範では、ボランティアが利用規約に違反した場合のアクセスの禁止、もしくは制限が含まれる予定。ボランティアが記事の文脈に応じた判断が必要とすると感じた場合、裁定のためのレビュープロセスも用意されるという。
ワシントン大学が行ったWikipedia編集者の性差に関する研究では、多くの女性編集者とLGBTQ編集者が安全でないと感じていたという。数人の女性編集者は、執筆内容について男性編集者から問題視されたり、男性編集者から否定的なフィードバックを受けたと話す。トランスジェンダーの編集者も存在しているが、ある編集者は死の脅迫を受けたと語っている。
Wikipediaではページが作成された後もページのコンテンツ内容を変更できる。このため、編集者同士の方針の違いから編集合戦が起きやすい。新しい行動規範では二つのフェーズで処理が行われる。最初に編集者同士が編集合戦を起こさない様、内部的な対面イベントおよびチャットルームなどを設定、話し合いの場を設けるようだ。こちらは、8月30日までに理事会により承認される予定となっている。第2フェーズでは規則が破られた場合の処置方法などが決められる模様。こちらは年末までに理事会で承認されるとしている(BBC、Slashdot)。