新型コロナ関連の経営破たん、172件に 42都道府県へ 東京商工リサーチ調べ

2020年5月24日 06:40

 東京商工リサーチは22日、中国武漢発・新型コロナウイルス感染症により破たんした事業者数が全国で172件に達したと発表。5月単月での件数は63件で、84件だった4月とほぼ同ペース。直近1週間では青森県や大分県で事業者の破たんが確認され、既に42都道府県で1件以上の破たんが発生したことになる。21日までに首都圏と北海道を除く地域が緊急事態宣言の対象から外れたものの、コロナ以前の生活に戻るには相当な時間がかかると予想され、観光業や飲食業を中心に厳しい経営環境が続く。

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 日本政府は21日、新たな感染者数の数や医療体制の整備状況等を踏まえ、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための緊急事態宣言の対象から大阪、京都、兵庫を外した。14日には39県が先行して対象から外されたため、残るは東京、神奈川、千葉、埼玉および北海道のみとなった。

 一方、夏の甲子園中止が決定するなど、緊急事態宣言の解除後もコロナはあらゆる方面に影響を与える。売上減少で資金繰りに窮する事業者だけでなく、不眠不休で活動を続ける医療従事者や公務員等の支援も必要だろう。

 新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間24日午前5時半時点で528万人超、死者数は34万人を超えた。直近1週間では1日約10万人ペースで感染者が増えている。国別の感染者数は、米国の160万人超を筆頭に、ロシア33万5千人、ブラジル33万人、英国25万8千人、スペイン23万5千人、イタリア22万9千人、フランス18万2千人、ドイツ17万9千人、トルコ15万5千人、イラン13万3千人が続く。西欧での増加ペースが緩くなる一方、ブラジルの増勢が目立つ。

  パンデミックを世界に波及させた中国は22日、延期していた全国人民代表大会を開幕。注目されたGDP成長率の目標値は、コロナが経済に与える潜在的な影響の大きさは分析できないとの判断から、設定しないと発表。今回の発表で注目を集めているのが、香港における言論やデモ活動の自由を抑制しかねない「香港国家安全法」の草案だ。民主主義を侵害する可能性が高いとして国際社会に不安が広がる中、米国のみならず、英国や台湾などが批判した。

 かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスの感染拡大に関連する経営破たん事業者数を集計した。22日17:00時点で172件に達し、このうち113件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理。

 業種別では、宿泊業(31件)、飲食業(27件)、アパレル関連(21件)が多く、これら3業種で約46%を占める。政府系金融機関や、無利子・無担保融資を提供する金融機関には中小零細事業者の申し込みが殺到しているものの一部で対応が追いついておらず、時間との戦いは続く。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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