日産のゼロエミッション・ピュアEV救急車が東京消防庁で稼働開始

2020年5月22日 08:45

 日産自動車は、東京消防庁池袋消防署へ納車した日本初ゼロ・エミッションの完全電動(EV)救急車が稼働を開始したと発表した。

 この車両は、東京都が推進する「ゼロ・エミッション東京」の取り組みの一環として、東京消防局に初のゼロ・エミッション(EV)救急車として導入された。同車は池袋消防署のデイタイム救急隊で運用される予定だ。

「日産は持続可能なモビリティによって、ゼロ・エミッション、ゼロ・フェイタリティ社会の実現に向けて貢献する取り組みを強化している。今回納車した車両は、地域社会において環境にやさしいクルマがより利用しやすくなっていく、大きな事例の一つとなる」と同社の最高執行責任者兼チーフパフォーマンスオフィサーであるアシュワニ・グプタは述べたという。

 車両は、救急隊員の負担を軽減するための電動ストレッチャーや、すべてのシートに乗員の安全性を向上させるシートベルトが装備されている。また、救急車には患者や隊員の身体的な負担軽減が求められることや、精密医療器具を搭載する必要があることなどから、静粛性が高く、振動の少ないEVのメリットは大きいとしている。

 さらに、今回の車両には33kWhと8kWhの2個のリチウムイオンバッテリーを搭載しており、電装機器やエアコンをより長時間作動させることが可能で、停電時や災害時には移動電源としても活用することができる。

 車両は、同社が欧州で販売中の「NV400」をベース車両としており、日本法規への適合や専用の救急架装については、高規格準拠救急車「パラメディック」架装で豊富な実績を持つオートワークス京都に委託して生産した。高規格準拠救急車「パラメディック」は、2018年にフルモデルチェンジしたNV350キャラバンをベースに開発した車両だ。

 また、NV400ベースのEV救急車の内外装は欧州の緊急車両架装大手であるGruau社に委託して、堅牢で合理的な救急架装パッケージを採用している。車両概要は、全長5548mm×全幅2070mm×全高2499mm。定員7名。駆動用電池は先のリチウムイオン電池とは別に、容量 33kWh、充電 AC200V 最大 7kw 普通充電(タイプ2)を搭載。駆動モーターの定格は最大出力 55kW、最大トルク 220Nmである。(編集担当:吉田恒)

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