アフターコロナで車の購入手続きも変わるか?
2020年5月21日 14:59
クルマの購入には、契約書に住所氏名などを記入して、何回もハンコを捺印する必要があることから、購入手続きが面倒と感じる人も少なくない。コロナ禍の中、生活習慣だけでなく商い習慣も大きく変わりつつあり、日本の文化であるハンコを見直す動きも出始めている。当然クルマの購入にもハンコは欠かせないわけだが、今のところ印鑑証明書や手続きの捺印を廃止する動きはない。
クルマを購入するには、新車でも中古車でも自動車販売店に足を運ぶことになる。そしてクルマを選び、オプション設定など自分好みにオーダーする。だがクルマを選んでいるときは楽しいが、その後の契約となるとかなり気が重いという人も多いだろう。
クルマの契約書は、何枚も住所と氏名を記入し、ハンコも何カ所も捺印しなければならない。そして同時にローンを申し込むとなれば、さらに記入する項目は多くなる。
ここまでの一連の流れを終えるには、ディーラーの混み具合にもよるが、半日以上の時間を要すことも少なくない。このように、クルマの購入にはかなりのパワーと根気、そして多くの時間を要する。しかもここまでの作業は、ディーラーで行う作業でしかない。
クルマは御存じの通り、駐車場がなければ登録できない(一部の軽自動車を除く)。そのため、駐車場の用意がなければ月極駐車場の手配が必要となる。そして車庫証明を自分で手配するとなれば、これも最寄りの警察署で手続きが必要になる。
さらに購入後も任意保険に加入するとなれば、保険会社と手続きをする必要がある。このように契約書に記入する作業が非常に多いのがクルマの購入だ。
購入のために、これほど多くの手続きが必要となる商品はあまりないだろう。クルマがなければ生活できない地域も日本各地に存在し、もっとスピーディに登録できるシステムを構築する必要があるのではないだろうか。
例えば、運転免許証は本籍と現住所が登録されており、生年月日や本名も全て知ることができる。クルマの購入に、運転免許証をスキャンして、出てきた契約書にサインするだけで終わるようシステム化すれば、膨大な契約書にハンコや住所氏名を記入する手間が省けるようになるはずだ。
与党・自民党は19日、マイナンバーと金融機関の預貯金口座のひも付けを義務化する提言案をまとめたが、運転免許とマイナンバーをひも付けすれば、クルマの契約から保険契約まで全て運転免許証で済ませることも可能になるばずだ。アフターコロナで、シンプルなマイカー購入制度が構築されることを願いたい。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る)