ソニーFH、富士フイルム、シャープなど/本日の注目個別銘柄

2020年5月20日 16:08


<8729> ソニーFH 2595 +183急伸。65%の株式を保有する親会社のソニー<6758>がTOBを実施すると発表、TOB価格2600円で全株取得を目指し、買い付け期間は5月20日から7月13日までとしている。前日には取引時間中にTOB報道が伝わって、その後は売買停止となっていた。TOB価格は18日の終値に対して26%のプレミアムとなる。これまでも折に触れて、ソニーのTOB実施観測は強まっていた。

<8697> JPX 2250 +85大幅続伸。ソニー<6758>がソニーFH<8729>をTOBにより完全子会社化すると発表しており、ソニーFHは上場廃止、それに伴う日経平均構成銘柄からの除外が想定される。野村證券では、今回のケースが臨時見直しとして取り扱われれば、代替銘柄は金融セクターの銘柄から選ばれ、候補銘柄としては同社やセブン銀行<8410>が挙げられると指摘している。とりわけ、同社が筆頭候補としている。

<4901> 富士フイルム 4936 -130大幅反落。同社の子会社が手掛け、新型コロナウイルスの治療薬候補として期待されている「アビガン」に関して、国内で行われている臨床研究では、これまでのところ有効性について判断できず、さらに臨床研究を進めて検証する必要があることが分かったと報じられている。厚生労働省では、今月中に治療薬として承認するため、手続きを大幅に短縮して審査を進める方針だとしていたが、やや先行きの不透明感も意識される流れに。

<5801> 古河電工 2395 +331急騰。前日に20年3月期決算を発表、営業利益は236億円で前期比42.3%減、従来計画の200億円を上回る着地となった。情報通信ソリューション事業における北米光ケーブルの生産性改善、電装エレクトロニクス材料事業における製品ミックス改善や経費抑制施策の効果などが上振れの背景。21年3月期ガイダンスは非開示だが、生産性の改善進展などが確認されていることで、出遅れ感が強い株価には見直しの動きが優勢。

<5741> UACJ 2071 +331急騰。前日に20年3月期決算を発表、経常利益は38億円で前期比38.9%減、市場予想は10億円強の水準だった。また、在庫評価の影響を除いた実質ベースでの経常利益は98億円で会社計画を10億円超過した。海外子会社の収益改善などが主な上振れ要因とみられる。21年3月期のガイダンスは非開示だが、これまで株価の出遅れ感も強かっただけに、足元での収益性改善をポジティブ視する動きが優勢になった。

<4114> 日触媒 5720 +210大幅続伸。ジェフリーズ証券では投資判断を「ホールド」から「バイ」に格上げ、目標株価も4500円から7200円に引き上げている。来年には、高吸水性ポリマーのマージン回復で業績は急回復すると考えているもよう。今後3年間は需要が拡大する一方で、新規能力の追加はないため、需給の改善が見込めるとしている。また、原油安もマージン回復を支える要因になるとみている。

<6753> シャープ 1130 -65大幅反落。前日に20年3月期の決算を発表、営業利益は528億円で前期比37.3%減益、5月8日に業績下方修正を発表済みであるが、1-3月期は赤字に転落する形になっている。新型コロナウイルスによるマイナス影響は360億円程度としているようだ。期末配当金は18円で前期比2円の減配としている。21年3月期のガイダンスは非開示。高水準の在庫状況やフリーキャッシュフローの赤字などもネガティブ視へ。

<5802> 住友電 1185.5 +46.5大幅続伸。前日に20年3月期決算を発表、営業利益は1272億円で前期比23.5%減、会社計画1400億円を下回ったが、ほぼコンセンサス水準での着地に。新型ウイルスによるマイナス影響は200億円程度と捉えている。配当金は48円から40円に減配。減配はネガティブ視されるものの、株価の出遅れ感が相対的に強かったなか、電子デバイスの成長やワイヤーハーネスのシェア上昇傾向などを見直す動きが強まった。

<7721> 東京計器 916 +150ストップ高。前日に20年3月期決算を発表、営業利益は18.7億円で前期比23.2%減、従来計画の16.5億円を大幅に上回った。防衛・通信機器事業が大幅増益となり、全体業績を下支えした。21年3月期は19.3億円で同3.0%増と増益転換の見通しともしている。なお、中期経営計画を一部修正、22年3月期営業利益計画は従来の42.3億円から21.1億円に変更しているが、増益基調の持続を見込んでいる。《US》

関連記事

最新記事