クラウドソーシングの副業は稼げないのか? (7)「テレワークとの関係」
2020年5月16日 17:01
クラウドソーシングによる副業と、テレワークは、密接な関係にある。新型コロナウイルスの影響により注目されたテレワークだが、生産性向上や業務効率化というメリットも重要だ。本記事では、クラウドソーシングの副業とテレワークの関係について考えていきたい。
【前回は】クラウドソーシングの副業は稼げないのか? (6) 「報酬アップ交渉術」
■クラウドソーシングの副業はテレワークを内包
新型コロナウイルスの影響により、テレワークを体験したという人も増えているだろう。4月以降、テレワーク導入の相談やコンサルティングの需要も増え続けており、その注目度は高まっている。
しかし、テレワーク自体は働き方改革の一環として、すでに推進事業が行われてきた。総務省は、5年前には全国でテレワーク導入に関したセミナーを行っている。パネラーには、大手クラウドソーシング企業のクラウドワークスも参加していた。また、携帯キャリア大手のKDDIも積極的に参加しており、何年も前からテレワーク導入が推進されていたことが分かる。
クラウドソーシングの副業については、そのほとんどのやりとりがオンライン上で行われる。つまり、テレワークが前提なのだ。だから、新型コロナウイルス以前からクラウドソーシングで副業を行っていた人は、すでにテレワークに順応していたことになる。
■テレワーク導入で様々なメリット
テレワークは、1970年代にはアメリカに存在していた。近年のICT技術の飛躍的な革新により、様々な障害が解決されたのである。地理的問題や時間的問題は、インターネットによって飛び越えることが可能となった。
テレワークを体験した人は、慣れない部分と共に、そのメリットも実感しているだろう。まず、出勤しなくていい点で、時間的節約になる。節約によって生まれた時間は、家族との時間に充てられるので、ワークライフバランスも改善するだろう。
次に、生産性の向上が挙げられる。テレワークを導入すると、いかに日々の業務に無駄が多かったかを知ることになる。些細な無駄も積み重なれば、大きな問題だ。業務効率化は、テレワーク導入の最も大きなメリットである。それは、個人だけではなく、企業にとっても大きな価値だ。
クラウドソーシングの副業者を活用している企業は、この業務効率化メリットに着目している。特に、人手が足りない中小企業やスタートアップ企業では顕著だ。こうした企業は、日々の煩雑な事務業務などによって、”本来の仕事”にリソースが割けない問題を抱えている。
業務の一部をクラウドソーシングの副業者に外注することにより、業務効率化が図られる。煩雑な作業から解放されれば、その分”本来の仕事”に集中することができるのだ。その結果、業績も向上する。新型コロナウイルスにより注目を集めたテレワークだが、アフターコロナでも、導入は促進されるだろう。(記事:西島武・記事一覧を見る)