自動車メーカーがフェイスシールド生産 トヨタ・日産・ホンダ・三菱自の状況は
2020年5月6日 08:11
現在も猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症だが、緊急事態宣言も延長が決定し、各地では外出自粛が続いている。そんな中、国内メーカーも独自の対策を打ち出してきている。大きな話題となったのは、家電メーカーのシャープが自社のクリーンルームを使用し、マスクを製作、販売するというものだ。一般販売を開始するとサイトへのアクセスが殺到したため、抽選販売へと移行した。
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国内自動車メーカー各社も、疲弊した医療現場を助ける活動をしている。
■トヨタ
トヨタは、東日本大震災の被災地を支援するために行っていた「ココロハコブプロジェクト」活動の一環として、医療用フェイスシールドを生産している。現在は貞宝工場、元町工場で1日に約2,000個、月産では約4万個生産。今後は1日約3,600個、月産で約7万個生産できるレベルまで引き上げる予定だ。
トヨタグループのトヨタ自動車東日本では、宮城大衡工場で医療用フェイスシールドの生産を開始しており、4月20日に3,000個のマスクを提供。1日の生産数は約600個。ダイハツ、日野、豊田合成はまだ試作段階ではあるが、ダイハツ、日野に関してはすでに試作品を近隣の医療機関へ提供している。
豊田自動織機は、4月29日より1日500個のペースで生産をしており、月産で約1万個生産する。トヨタ車体は5月中旬より生産を開始する検討に入ったという。
トヨタ自動車九州は医療用フェイスシールド2,000個と取り換え用のシールドフィルム3万枚を生産し、6月末までに福岡県宗像市や苅田町、北九州市の病院や自治体などへ提供をする。
■日産
日産は、テクニカルセンター、総合研究所、横浜工場が保有する3Dプリンターを使用して医療用フェイスシールドを生産しており、月産約2500個を医療現場へ提供する。さらに日本政府の要請をうけ、人工呼吸器や人工心肺メーカーへの支援も検討している。
■ホンダ
ホンダは、5月末までにものづくりセンター栃木、鈴鹿などの事業所で医療用フェイスシールドの生産を開始する。その後は医療機関へ提供される予定だ。さらに人工呼吸器生産への可能性も示唆している。
また感染者を搬送するための車両も提供。ベースとなる車両はオデッセイやステップワゴンで、前後の座席で圧力差を設けることによりドライバーへの飛沫(ひまつ)感染を予防する。こちらは4月13日に港区や渋谷区に納車されおり、今後は感染者は多いエリアから納車される予定だ。
■三菱自動車
三菱自動車は、これまでに岡崎製作所で生産された医療用フェイスシールドを岡崎市へと提供した。岡崎製作所では、1日約1,500個を生産しており、今後もさらに生産枚数を増強する予定。デリカなどを生産しているパジェロ製造も医療用フェイスシールドを生産しており、こちらは岐阜県美濃加茂市の病院へと提供された。他にも、感染防止製品などの生産を視野に入れて活動している。
また、メーカーによって医療物資搬送用車両や医療者向けのフードトラックなどを提供している。今でもまだ足りていない物資について、各メーカーが技術力を発揮して生産してくれることを期待したい。(記事:キーパー・記事一覧を見る)