トヨタ、移送用車両を医療機関などに提供
2020年5月3日 21:35
トヨタ自動車は、新型コロナウイルスの感染拡大により全国で外出自粛要請が出されている状況下で、医療機関や公共交通機関など社会生活を支えるために従業員の通勤などでの移動を必要とする全国の法人に向けて、新型コロナウイルスの感染拡大が収束するまでの期間、廉価なU-Carリース車の提供を開始すると発表した。
4月30日からトヨタモビリティサービス株式会社が申し込みを開始する。具体的な特徴は、U-Car(リースアップ/レンタカーアップ車)を活用した廉価な価格設定でリースを実施し、リース期間は最長2年(車両により異なる)。受付期間は4月30日から新型コロナウイルス感染拡大が収束するまでとする。
なお、価格設定や車両の種類、台数については、各トヨタレンタリース店で多少異なる。「詳しくは、お近くのトヨタレンタリース店へ問い合わせください」としている。
また、トヨタでは医療現場で、少しでも役に立てる車両が提供できないか、現場のニーズを聞きしながら様々な検討を進めており、これまでに軽症患者向けの移送用車両11 台を、医療機関や地方自治体などに提供してきた。
その車両提供をさらに進めて、トヨタ自動車は、新型コロナウイルス感染症の重症患者の方の移送用車両1 台を、昭和大学病院に提供した。この車両は、医療機関からヒアリングしたさまざまな要望を基に、トヨタ車体がハイエースをベースに開発・架装を行なった搬送車両で、重症患者向けの移送用車両提供は今回が初めてとなる。
今回提供した車両は、ハイエースをベースに、運転席・助手席のある車両前方スペースと、後部座席以降の車両後方スペースの間に隔壁を設置し、排気ファンで後方の空気を常に外部に排出することで、後方の空気が前方に循環しないようにコントロールした「飛沫循環抑制車両」を、初めて重症患者向けの移送用車両として開発し提供した。
トヨタグループでは、今回の新型コロナウイルス感染症の診断や治療に尽力されている医療現場を支援する取り組みを、「ココロハコブプロジェクト」の一環として位置づけ、今後も医療機関や自治体からの感染者移送用車両提供ご要望に対し、対策を検討し、迅速に取り組むとしている。(編集担当:吉田恒)