村田製、東エレク、東京海上など/本日の注目個別銘柄

2020年5月1日 16:16


<6594> 日本電産 6057 -229大幅反落。前日に20年3月期決算を発表、営業益は1103億円で前期比14.6%減、1350億円程度の市場予想水準を下回った。新型コロナウイルスの影響130億円、追加的な構造改革費用100億円などが下振れの背景。一方、21年3月期は1250億円で同13.3%増益の見通し。実績は想定以上に下振れたとの印象だが、今期の2ケタ増益予想を好感する動きが先行。ただ、週末の手仕舞い売りにマイナスに転じる。

<6981> 村田製 5897 -122反落。前日に20年3月期決算を発表、営業益は2532億円で前期比5.1%減、従来計画の2300億円を上振れた。一方、21年3月期は2100億円で同17.1%減益の計画、新型コロナウイルスによる売上下振れは1700億円程度を想定しているもよう。配当も20年3月期97円から110円に増配の計画。想定比では底堅い数値とみられるが、前日にかけて期待感が先行してきた印象もあり、いったん戻り売りが優勢に。

<8035> 東エレク 21675 -1265大幅反落。前日に20年3月期決算を発表、営業益は2373億円で前期比23.6%減となった。1-3月期は701億円で前年同期比8.2%減、620億円程度の市場予想を上回った。21年3月期は想定通りの非開示としているが、第3四半期決算時の同社の市場見通しには変化なしとしている。決算インパクトは限定的ながら、同社など半導体関連には相対的な期待感が先行していたことで、出尽くし感も先行する形のようだ。

<4974> タカラBIO 2521 +104大幅反発。新型コロナウイルス感染の有無を約1時間で判定できる新試薬を開発したと前日に発表している。検体から不純物を取り除く工程が不要となるもようで、2-3時間かかる従来の検査時間を半分以下に短縮できるとされている。本日から発売し、月間200万検体分を供給するとされている。PCR検査数の大幅な増加が必要視されているなか、期待感が先行する展開に。

<9104> 商船三井 1721 -172急反落。前日の前引け後に決算を発表、その後は売り優勢の展開が続いた。20年3月期経常利益は551億円で従来計画の500億円を上振れ、市場予想の520億円程度も上振れた。一方、21年3月期見通しは100-400億円の赤字レンジとしており、想定以上の業績悪化が警戒視される展開に。なお、タンカー市況の高騰、中国の自動車販売回復などは十分に織り込まれておらず、慎重な計画との見方も多くなっているようだ。

<2428> ウェルネット 588 +64急伸。前日に第3四半期決算を発表、累計営業利益は7億円で前年同期比55.7%の大幅増益、通期予想は引き続き非開示だが、高い業績変化率を評価する動きが強まっている。売上は減収となっているが、大規模開発の一段落に加え、経費削減などの取り組みも奏効したようだ。外出自粛要請に伴う非対面決済のニーズの強まりから、目先も堅調な業績推移が期待できるといった見方に。

<2372> アイロムG 1642 +300ストップ高。国立感染症研究所と新型コロナウイルスの感染予防と治療を目的とした新しいワクチンについて、共同研究開発することを決めたと発表した。子会社のIDファーマと国立感染症研究所は、これまでもセンダイウイルスベクターを用いたエイズワクチンなどを共同研究しているが、これと同時に行っていく計画。新型ウイルスの治療薬やワクチンに対する市場の関心は引き続き高く、期待感が先行しやすい状況は続いている。

<8766> 東京海上 4742 -344大幅反落。本日は保険セクターの株価が全般軟調だが、なかでも、下落率が大きくなっている。メリルリンチ日本証券では投資判断を「中立」から「アンダーパフォーム」に格下げ、目標株価は5000円としている。米国事業が21年3期業績での最大のリスク要因となり、増益率は同業他社を下回る見通しとみているもよう。また、株式還元に対する株式市場の期待は過度に楽観的であり、ネガティブサプライズを警戒ともしている。

<9009> 京成 2965 -295急反落。前日に20年3月期決算を発表している。営業利益は283億円で前期比10.4%減益、従来予想の323億円を下回り、一転しての2ケタ減益での着地に。21年3月期は非開示としている。実績値の下振れに大きなサプライズはないものの、同時に発表した3月の運輸収入は、定期+定期外で前年同月比35.8%減と2月の同4.7%減から急減しており、21年3月期業績への見方がより厳しくなっているようだ。《US》

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