学校へ行くだけではダメ 子どもが協調性を身につけるために必要なこと
2020年5月1日 08:33
集団の中で人の意見を取り入れたり、自分の意見を主張したりする力は社会で生きていくために必要なものだ。それにはもちろん集団で生活する経験が必要なのだが、学校へ行かせれば自然と身につくものではない。健全な協調性というものは自分の家に友だちを招いたり、友だちの家に遊びに行ったりすることで身につくとされている。
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■健全な協調性とは
協調性は競争意識とのバランスがあって初めて良い効果をもたらす。意見を聞きいれてばかりで友だちの言いなりになっていては、共感力はあるが健全な状態とは言えない。自分の欲求を表現する発言力と相手に共感し尊重する力を併せ持ってこそ、集団の中で力を発揮することができる。
そんな協調性を子どもが育むためには、友だちとの関わりが当然重要になってくる。しかし、学校生活だけではなく友だちと互いの家を行き来する経験が重要なことは、あまり知られていない。
■友だちの家に行き来する経験が必要な理由
家にはそれぞれのルールがある。自分の家に友だちを招いた時、招いた子はリーダーシップを発揮してルールに従わせる必要がある。家にあるおもちゃの使い方を説明したり、親が用意したおやつをあたかも自分が振舞っているかのように言うこともある。控えめな子でも自分が主人の時には、友だちに自分のルールを押し付けることができるのだ。
一方で自分が招かれる立場にある時には、その家のルールに従わなければならない。子どもは自分が客であることがわかっているので普段よりも慎重に振舞う。家に入る時には挨拶をし、おやつを出してもらえればお礼を言う。相手のルールを尊重し、それに従って行動するようになる。よって、人の家に行き来することが重要になってくるのだ。
■親にとっても良い効果がある
子どもがよその家から帰ってきた時、おそらくその家のことを親に話して聞かせるだろう。ゲームは大きくなるまで買ってあげていなかったり、おやつの前には必ず手を洗っていたり。家ごとの違いを知ることによって、自分の家の厳しさや緩さを客観視できる。この情報は親にとっても、ありがたいものではないだろうか。
また、主人と客の関係がない家以外の公園などで遊ぶことも、合わせて大事である。色々な場所でバランス良く遊ぶことで、ルールに従ったり作ったりという重要な力を自然と身につけることができるのだ。(記事:双風サキ・記事一覧を見る)