学校休校の今こそ、小学生から手軽に始められる大学受験対策を!
2020年4月29日 17:10
■ロジック(論理)を早期に身につけるメリット
新型コロナウイルス感染拡大防止のために外出自粛が続いているが、一方で、公園では親子がサッカーをしたり、散歩をしたり、外で遊ぶ子供たちの姿もよく目にするようになった。どこに行っても施設が閉鎖、家に閉じこもってもいても、暗いニュースばかりでストレスがたまる。だから親子が外で活動し始めたのだろう。
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15年ほど前に、小学生の保護者とお子さんを集めて、「母と子の読み書き教室」という試みを首都圏中心に行っていた。筆者は大学受験の小論文、国語全般を指導しているが、大学受験で小論文があると、あわてて対策してこんなに苦労するなら、もっと早くから始めたらよいだろう、という発想である。「教える」ということではなく、親子のコミュニケーションの場にしていただきたい、という思いで始めたものだ。
教え方は簡単。3大接続「だから」「しかし」「つまり」をしっかり使えるようにしようというものだ。「AだからB」なぜBなのか、お子さんに聞く。「AしかしB」Bの反対は何か、お子さんに聞く、「AつまりB」Bとはどういうことなのか、お子さんに聞く、といった具合である。
これら、論理の枠組みを早期にお子さんのアタマの中に作ってやれば、あらゆる学習の「器」になってゆく。
「原因だから結果」の延長にあるのは、客観的因果論、すなわち「科学」である。「しかし」の延長にあるのは、批判的思考である。「つまり」の延長にあるのは、情報を自分でまとめていく情報リテラシーである。
これらの枠組みを小学生のうちにしっかり作っておけば、その延長上で身につけていく能力は計り知れない。
■ロジック(論理)の欠如は大学受験で表れる
字を丁寧に書きなさい!とか、なんでわからないの!とか、決してお子さんをしかりつけてはいけない、ポイントは「ほめる」こと、ほめてお子さんの論理力を育てる。そしてその「ほめポイント」をお母さんたち同士で共有しましょう、と講義してきた。
高校生のスマホの中身は、親子でも決して保護者には見せないだろう。が、彼ら、彼女らが普段発信している文章は短文の羅列である。接続詞がない。
たまに「てか」など接続詞らしきものはあるが、決定的に接続が抜け落ちている。それはつまり、生徒たちの思考のあり方そのものを表している。
ロジック(論理)と言うと小難しいことのように思われるが、簡単に言えば、何のことはない、文と文との接続である。大学を受験しようとする生徒なのに、その思考からは、論理がすっぽりと抜け落ちているのだ。
だから、推薦入試などで小論文が必要になると、それからあわてて小論文対策をする。間に合わない。タイムオーバー直前、「国民一人一人が努力を重ね、困難に前向きに取り組んでいかなければならない」なんて取ってつけたようなキレイゴトを書いてくる。
真っ先にボツである。だったらもっと早くからやっていれば…、
■添削指導は親子の深いコミュニケーション
親子で食事を共有する、一緒に映画を見て感動を共有する。様々なコミュニケーションがある中で、文章の添削は「思考」を共有していく。親は子の考え方をコピーし、子は親の考え方をコピーしてゆく。それは「世界」を共有することでもある。そこには深いレベルでの「共有」がある。
一緒にゲームを、スポーツを楽しむ。感想を述べあう。「なんでかな?」「それってどういうことだろ?」「反対に言えばどういうこと?」
ロジック(論理)の枠組みをお子さんの頭の中に作ってやるのは、それほど難しいことではない。そこで大事なのは、知識や添削のテクニックではない。積極的に親の方からコミュニケーションを図っていく、お子さんに寄り添う姿勢だろう。(記事:大学受験国語のフットプリンツ 谷村長敬・記事一覧を見る)