NYの視点:一部投資家、経済活動の再開への過剰な楽観的見方を警告、損害は大きい

2020年4月28日 07:38


*07:38JST NYの視点:一部投資家、経済活動の再開への過剰な楽観的見方を警告、損害は大きい
新型ウイルスの感染拡大が一段落しており、世界各地で一部の経済活動を再開し始めた。投資家心理は大きく改善。ただ、今後の見通しは分かれる。新債券王との別名もあるダブルラインキャピタルのCEO、ガンドラック氏はCNBCのインタビューで、「投資家は新型ウイルスによる社会混乱を過小評価し経済回復に過剰に楽観的過ぎる」と警告している。ここ最近のリスク資産価値の上昇は、FRBの異例な緩和策により押し上げられているだけとの見方で、下値から半値戻しした株式相場も3月につけた安値を再び試す可能性が強いとの見方から、S&P500種指数で新たな売り持ちを作ったことを明らかにした。同氏は、2008年の金融危機以降で創出された雇用が全て喪失されるなど、ウイルスや経済封鎖による景気悪化の深刻さを一部の投資家は理解していないと指摘している。

経済再開後、企業がどの程度、収益を取り戻し、再雇用が可能となるかは別問題。ドイツの自動車大手フォルクスワーゲンが27日から工場再開しているが、10−15%の稼働率。売り上げや収益が危機前の状況に速やかに戻る保証もなく、正常化には時間がかかる可能性や、危機前の水準に達しないリスクも残る。

●経済の再開計画

24日:米国南部のフロリダ州、ミシシッピ州、アラバマ州、ジョージア州、サウスカロライナ州、テネシー州の6州
27日:独フォルクスワーゲンが工場再開、10−15%の稼働率
30日:米テスラ、生産再開
5月4日:イタリア、一部経済活動再開へ
5月15日:NY州クオモ知事、何らかのビジネス再開も可能、被害が大きい地区では外出規制を延長《CS》

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