3月の百貨店とSC売上、記録的な落ち込みに 新型コロナ影響で
2020年4月24日 21:36
日本ショッピングセンター協会と日本百貨店協会が発表した3月の売上高は、いずれも新型コロナウイルスの影響により、記録的な落ち込みとなったことが分かった。
【前月は】2月の百貨店とショッピングセンター売上、新型コロナ影響で5カ月連続マイナス
■ショッピングセンターは6カ月連続で前年割れ
22日、日本ショッピングセンター協会が3月のSC販売統計調査報告を発表した。2020年3月の既存店売上高は前年同月比28.0%減の4,204億9,144万9,000円となり、2019年10月から6カ月連続で前年割れとなった。
新型コロナウイルスの影響により、来館者の減少とともに、従業員確保のため営業時間を短縮したり休業したりした店舗があった。業種別では食品が底堅かった一方、その他の業種全てで不振との回答が増えており、特に飲食、衣料品やファッション雑貨などの非日用品、旅行やアミューズメント、理容・美容などのサービス業種が不振との回答が多かったという。
■札幌市は前年同月比45.4%減
テナントの売上高は前年同月比30.7%減の3,289億5,672万円、キーテナントは同16.3%の915億3,473万円。どちらも全体同様に6カ月連続で前年割れとなった。テナントの落ち込みが大きかったのは、先に書いた通り休業した店舗などが増えたため。その反面、食料品などを取り扱うキーテナントは落ち込みが少なかった。
都市別、地域別では全てで前年割れとなっており、大都市では札幌市(前年同月比:45.4%減、以下同じ)、東京区部(35.7%減)、名古屋市(36.4%減)、福岡市(36.3%減)の落ち込みが大きく、京都市(23.6%減)、神戸市(21.3%減)、広島市(21.5%減)はマイナス幅が20%に留まった。その他の地域では北海道(44.4%減)で大きく減少したものの、東北(21.2%減)、北陸(22.3%減)、中国(22.1%減)でマイナス幅が20%台だった。
■百貨店も6カ月連続で前年割れ
24日、日本百貨店協会が3月の全国百貨店売上高概況を発表した。2020年3月の全国百貨店売上高は、前年同月比33.4%減の3,403億5,965万6,000円となり、ショッピングセンターと同様に6カ月連続で前年割れとなった。
前年から土曜日が1日減ったことに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大により、顧客の外出自粛、店舗などの営業時間短縮や休業、イベントの中止や縮小などが影響した。さらにインバウンドも海外渡航者の入国制限で客数が同93.4%減、売上高が同85.7%減となった。
■4月中間の段階では77.9%減
都市や地区別ではショッピングセンターと同様に全てで前年割れ。特に都市では札幌(前年同月比:46.1%減、以下同じ)、東京(34.6%減)、名古屋(36.7%減)、大阪(42.2%減)の落ち込みが大きく、仙台(24.6%減)が唯一マイナス幅を20%台に留めた。
10都市以外の地区では北海道(33.8%減)、四国(30.2%減)でマイナス幅が大きく、東北(23.3%減)、中部(23.2%減)、近畿(22.4%減)は20%台のマイナスとなっている。
商品別も全て前年割れで、特に衣料品(39.9%減)、身のまわり品(38.0%減)でマイナス幅が大きく、一方で家庭用品(28.2%減)、食料品(23.9%減)などでマイナス幅が20%台だった。
また緊急事態宣言以降では、多くの店舗で休業や食品フロアのみの営業となっていることから、東京地区では4月16日時点において、前年同月比77.9%減の売上高になっているという。(記事:県田勢・記事一覧を見る)