韓国語の敬語文化は難しい? 乗り越えるコツとは

2020年4月23日 09:01

 韓国語の勉強を始めると、敬語を学ぶときが来る。そのとき、驚く人が多いだろう。韓国語の敬語は種類が多すぎだからだ。

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 私が韓国で過ごした感覚では、韓国語の敬語や目上を敬う文化は日本語よりも10倍くらい複雑だ。たとえば、韓国では初めて会った人には名前を聞き、その次には年齢を聞く。これは敬語を間違えないためだ。相手に失礼にならない人間関係を構築する必要がある。

 年上に対する配慮も多く、お酒を飲むときは飲んでいる姿を目上の人に見られないようにしなければならないし、タバコは基本的には目上の人の前で吸ってはいけない。

 さらに、韓国では両親にも敬語を使う。最近では両親に敬語を使う若者は減ってきているようだが、それでもそういう文化があることに驚きなのではないだろうか。

 韓国にこれほどまで目上の人に対する敬いの文化が根付いている理由は、韓国が儒教の国だからである。儒教とは、古代中国に起こった孔子の思想に基づく考えのことだ。儒教の教えにより、年長者、高齢者、目上の人を敬う礼儀が強く根付いたのである。

 では、儒教の影響をあまり受けていない私たち日本人は「知らないうちに、礼儀のない態度をとってしまい相手の韓国人が気を悪くするのではないか?」という心配をしてしまうかもしれない。

 この疑問や恐怖に関して、私なりの考え方を述べると、まず、韓国人を相手にビジネスをする人は、韓国の敬語はしっかり勉強すべきだ。言葉の使い方はもちろん、食事の作法といった私生活に潜むマナーまできっちりマスターすべきだと思う。

 最近の若者は敬語の文化が薄れてきているとはいえ、ビジネスの世界には目上の人に厳しい敬語マナーが残っている。ビジネスの世界で敬語やマナーができていないとなれば、大事なビジネスチャンスを失うことになりかねない。だから、韓国で仕事をしている人や韓国人を相手に商売をしている人は、韓国の敬語文化をしっかりと勉強した方がいい。

 では、次にそうではない人たち。たとえば、韓国が好きでよく韓国旅行に行く人やK-POPが好きだから韓国語を勉強している人は、むしろ敬語はあまり学ばなくてもいいのではないかと思う。

 なぜなら、敬語ができないことがあなたの魅力になるからだ。いくら韓国が目上を敬う文化だとはいえ、敬語が仲良くなることの壁になっていることはたしかだ。

 さすがにいきなりため口で話せとは言わないが、目上の人とでも気軽にお酒を飲んだり、話したりすることで、敬語文化の厳しい韓国人とでもすぐに仲良くなることができる。

 とくに年齢の近い若者なら、敬語ができないことに対して気を悪くするような人は少ないので、敬語ができないことをあまり気にする必要はないだろう。また、私たちが外国人であることが分かると、敬語ができないことも理解してもらえるはずだ。

 まとめると、韓国は儒教の影響ため目上の人に対する敬語文化が強く根付いている。韓国人を相手にビジネスをする人は、韓国の敬語文化をしっかり勉強しておくべきだが、そうでない人は、むしろあまり敬語やマナーを気にせず、堅苦しくならない方が、仲良くなりやすくておすすめだ。

 この記事を読んでくれたあなたが、韓国人との付き合いを効率よく深めてもらえれば幸いだ。(記事:坂東泰地・記事一覧を見る

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