新型コロナ拡大防止で在宅勤務手当支給の動き広がる お風呂手当の支給も

2020年4月22日 17:24

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて政府の緊急事態宣言が発令される中、企業の間で在宅勤務をする従業員に対し手当や奨励金などを支給する動きが広がっている。投資用ワンルームマンションの開発・販売を手がけるシーラ(東京都渋谷区)では、在宅勤務による生活費増加の負担を軽減するため、全社員に4万円の手当を支給。また、ソフトウエア開発の富士ソフト(横浜市中区)は在宅勤務を始める社員に対し、パソコンやネットワーク環境を整備する準備金として最高8万円を支給する制度を導入した。

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 シーラでは緊急事態宣言の後、感染拡大防止と社員や関係者の安全確保のため、原則すべての部署でリモートワークを行っている。これによって家で過ごす時間が長くなり、生活費の増加が懸念されることから、4月支給の給与でアルバイトや新入社員を含む全社員に一律4万円を「リモートワーク手当」として支給する。また、夏の賞与の一部10万円を前倒し支給するという。

 富士ソフトは、以前から在宅勤務の導入を進めていたが、今回の緊急事態宣言を受け、さらに在宅勤務者を増やすため「在宅勤務準備金・奨励金」を制度化する。

 対象となるのは、1カ月のうち8割以上在宅で勤務する社員。6カ月以上継続して在宅勤務を行う人に対して、パソコンの購入やネットワーク環境の導入などに必要な準備金として最高8万円を支給。また、常時、在宅勤務を行っている社員に対し、電気代や通信費などの手当として、奨励金を環境によって月額4000円か3000円支給する。

 このほか、マーケティング事業のブリーチ(東京都渋谷区)は、全社員に対し最大7万円の在宅勤務手当を支給することを決定。同社は緊急事態宣言後、在宅勤務やオンライン会議化を進めており、デスクやチェア、モニターなどを購入する費用にあててもらうことが目的だという。

 変わったところでは、入浴剤を販売するホットアルバム炭酸泉タブレット(東京都八王子市)は、全社的にテレワークを導入するとともに、自宅での1日2回以上の入浴を推奨。お風呂手当として月額1万円を支給する。

 同社が販売する入浴剤「薬用ホットタブ重炭酸湯」は、成分がお湯の中に長くとどまり、追い炊きをしても風呂釜をいためないといい、1度入れれば24時間楽しむことができる。こうした自社の入浴剤を家族で楽しんでもらい、血流をよくしてウイルスへの抵抗力を高めてもらうために、手当を創設したという。

 まだ一部とはいえ、こうした在宅勤務に対する手当の支給が広まれば、さらなる在宅勤務の普及が期待できそうだ。

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