フリーランス、今後積極的に活用7割 専門性と流動性が理由

2020年4月22日 08:40

 IT、AIの時代の中で労働力の流動化の必要性が指摘されてから久しい。既に海外では多くのフリーランスが活躍しているという。世界では企業に所属する意味は希薄化し、企業のプロジェクトに参加しつつ自らの専門性を高めキャリアアップして行くのが新しい働き方だなどとも言われる。

 しかし、日本では未だ年功序列・終身雇用という人事・労務慣行が主流で労働市場の流動化は不十分なままだ。フリーランスは収入が不安定となりやすく社会保障制度のあり方も大きな課題であると言える。フリーランスが活躍できる社会になるためには未だ多くの課題が残っているが、現況でのフリーランス人材の活用はどうなっているのであろうか。

 人材コンサルティング業のBNGパートナーズが3月、自社の取引企業77社を対象に「企業の業務委託・フリーランス人財活用に関する調査」を実施、その集計結果を15日に公表している。

 レポートによれば「過去1年で業務委託・フリーランスの活用をしたことがあるか」という問いに対して、「ある」と回答した企業の割合は44.2%、「ない」が55.8%となっている。

 「直近1年で何名活用したか」という質問に対しては、「1-4名」が36.7%、「5-9名」が36.7%、「10名以上」が26.7%となっており、直近1年で5名以上の業務委託人財を活用している企業は60%以上だ。

 活用した業務委託・フリーランスの職種についてみると、「エンジニア」が61.6%と最も多く、次いで「営業・マーケティング」の18.5%、「デザイナー」が9.3%、「経営企画」が3.1%、「経理」3.1%、「ライター」3.1%、「その他web系専門職」0.8%となっている。

 活用した理由については、「優秀な人が多い」32.3%、「雇用が流動的」32.3%、「正社員の採用が厳しい」16.1%、「専門性の高さ」13.0%、「急ぎ必要であったため」6.4%となっている。

 今後の活用意向については「積極的に活用する」65.6%で6割を超えて最も多く、次いで「これから検討する」21.9%、「やめる・へらす」6.3%、「良い人材がいれば」3.1%、「活用するが増やさない」3.1%となっており、8割超えが前向きだ。

 人材確保が難しい中で専門性の高い人材が評価され雇用の流動化が少しずつ進んでいる模様だ。(編集担当:久保田雄城)

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