2020年第1四半期のPC出荷台数、上位ベンダーではDellのみが増加

2020年4月18日 20:58

GartnerとIDCが13日にそれぞれ発表した2020年第1四半期PC出荷台数推計値によると、全体の出荷台数が大幅に減少する中、上位ベンダーではDellのみが出荷台数・シェアともに増加している(GartnerのプレスリリースIDCのプレスリリース)。

第1四半期はWindows 7サポート終了に伴うWindows 10への移行需要が一段落したが、COVID-19感染拡大による在宅勤務・学習の増加による需要が急増。一方でPCベンダーのサプライチェーンも大きな影響を受けて供給不足となった。その結果、全ベンダー総計はGartnerの推計値で722万台減(12.3%減)の5,164万台、IDCの推計値で578万台減(9.8%減)の5,324万台となっている。ベンダー別では需要に応えられる在庫を確保できたかどうかが明暗を分けたようだ。

ベンダー別の出荷台数トップ3では、HPが前年同四半期比2桁減(Gartner: -12.1% / IDC: -13.8%、以下同)と大きく減少している。Lenovoは1桁(-3.2% / -4.3%)減少したが、シェアは増加(2.3ポイント増 / 1.4ポイント増)しており、Dellはわずかながらも成長を維持(+2.2% / +1.1%)した。その結果、IDCのデータでLenovoがHPを逆転して1位となり、Gartner/IDCともにLenovo・HP・Dellの順になった。DellはHPに100万台強の差まで迫っている。 IDCはこのような結果になった理由として、Dellがサプライチェーンとの強い関係で製品を確保できたのに対し、HPは十分な製品を確保できなかったことを指摘している。一方、Lenovoは日本を含むアジア太平洋地域を除くすべての地域で在宅勤務・学習需要を受け、出荷台数を伸ばしたとのこと。Gartnerの推計値によれば、Dellの出荷台数は米国で前年比10%増加(31万台増)してHP(-13.9%)を上回り、1位に上昇している。3位のLenovoも28.8%増(43万台増)と大幅に増加した。

4位以下ではAcerが前年比10%前後減少しながら順位を上げており、GartnerのデータではASUSを抜いて5位に上昇、IDCのデータではAppleを抜いて4位に上昇している。Appleの出荷台数はGartnerのデータでは6.2%減(24万台減)にとどまるが、IDCのデータでは20.7%減(80万台減)と大きく減少している。IDCによればAcerは2月に中国の工場が閉鎖される前に在庫を確保できた一方、Appleは中国の生産拠点閉鎖の影響を強く受け、過去最大の減少幅の一つになったとのことだ。

なお、Gartnerの集計対象はデスクトップPCとノートPC、プレミアム価格帯のウルトラモバイルPCだが、ChromebookとiPadを除外、IDCの集計対象はデスクトップPCとノートPC、ワークステーションを含み、タブレットとx86サーバーが除外されている。 

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