夢真ホールディングスは売り一巡
2020年4月17日 08:12
夢真ホールディングス<2362>(JQ)は建設技術者派遣や製造・IT業界向けエンジニア派遣を展開している。当面は新型コロナウイルス感染症拡大による経済収縮の影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は安値圏だが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。
■建設技術者派遣を主力にエンジニア派遣も展開
建設技術者(建設現場の施工管理技術者)派遣を主力として、製造・IT業界向けエンジニア派遣、その他(人材紹介、フィリピン現地人材への日本語教育、ベトナム現地人材の採用支援、ITエンジニア育成等)も展開している。19年10月純粋持株会社体制に移行した。
19年9月期の売上高構成比は建設技術者派遣68%、エンジニア派遣29%、その他2%で、期末の建設技術者数は6099人、エンジニア数は3640人だった。19年12月にはグループ稼働人数が9000名を突破した。
M&Aも積極活用している。19年4月ITエンジニア派遣のインフォーメーションポートを子会社化、社会人向けオンラインプログラミング学習サービスの侍を子会社化、19年6月子会社の夢テクノロジーがシステム開発のBlueMemeと業務提携、19年7月ITエンジニア派遣のガレネットを子会社化、19年10月夢テクノロジーが外国人人材受け入れ制度における登録支援機関の認定を受けた。
中期経営計画(19年9月期~21年9月期)では、目標値に21年9月期売上高762億円、営業利益100億円、純利益68億円を掲げている。株主還元策は18年9月期以降、1株当たり配当額35円以上を維持する。ROEは30%以上を目指す。
セグメント別の計画は、建設技術者派遣の売上高580億円、営業利益80億円、期末技術者数7800人、エンジニア派遣の売上高250億円、営業利益18億円、期末技術者数5500人としている。
■20年9月期増益予想
20年9月期連結業績予想(第1四半期~第3四半期は日本基準、通期決算からIFRSを任意適用)は、売上高が630億円、営業利益が80億円、親会社所有者帰属当期利益が54億円としている。配当予想は19年9月期と同額の35円(第2四半期末15円、期末20円)である。なおセグメント区分を建設技術者派遣および付随事業、エンジニア派遣および付随事業、その他とする。
日本基準19年9月期実績との比較で20.0%増収、2.2倍最終増益となる。稼働人数増加、稼働率上昇、単価上昇、採用効率化などで大幅増収増益見込みとしている。前期の採用投資の収益化やグループ企業の連携も推進する。
セグメント別の計画は、建設技術者派遣の売上高が14.5%増の410億円、利益が27.0%増の75億円、期末在籍人数が11.5%増の6800人、エンジニア派遣の売上高が35.1%増の208億円、利益が9.0倍の12億円、期末在籍人数が9.9%増の4000人としている。
第1四半期(日本基準)は、売上高が前年同期比27.6%増の150億84百万円、営業利益が23.0%増の15億25百万円、経常利益が22.4%増の15億42百万円、純利益が14.5%減の7億28百万円だった。純利益は法人税等の増加で減益だが、技術者の増員、派遣単価の上昇、M&A効果などで大幅増収・営業増益だった。期末技術者数は建設技術者派遣が12.0%増の6078人、エンジニア派遣が36.2%増の3703人だった。
当面は新型コロナウイルス感染症拡大による経済収縮の影響が懸念材料となるが、中期的に収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は9月末の株主対象
株主優待制度は毎年9月30日時点の3単元(300株)以上保有株主を対象としている。保有株式数に応じて贈呈されるポイントを、特設サイト内の商品・サービスと交換(詳細は会社HP参照)する。
■株価は売り一巡
3月10日発表の自己株式取得(上限160万株・10億円、取得期間20年3月17日~20年6月16日)について、3月31日時点の累計取得株式数は15万株となった。
株価は安値圏だが売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。4月16日の終値は565円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS70円59銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の35円で算出)は約6.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS155円75銭で算出)は約3.6倍、時価総額は約445億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)