【米国株】リモートワークの時代にセールスフォース・ドットコム
2020年4月13日 17:47
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大により、世界的にテレワーク、リモートワークといった名で遠隔での働き方が推し進められている。仕事をする上で、物理的・空間的に制約がかけられる中で、今後もこの流れを追い風に成長していくと考えられるのが、米国株セールスフォース・ドットコムだ。
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セールスフォース・ドットコムはクラウド型の営業支援・顧客管理サービスを主軸にビジネスを展開しており、営業、カスタマーサービス、マーケティングを総合的に支援するクラウド企業である。高額なシステムの導入なしにインターネット経由で最新サービスを利用できるため、低コストで使用感も良い同社サービスは世界中に普及している。
2019年11-1月期(4Q20)の実績は市場予想を上回り、継続事業ベースで前年同期比34%増収、同25%営業増益となっている。先行指標となる繰延収益なども高成長かつ実績は良好。決算発表同日 に業界特化型クラウドサービスを手掛けるVlocityの買収を発表した。
日本の企業では、みずほフィナンシャルグループ、トヨタ等が主要顧客として取引を拡大しており、主力のセールスクラウドについては増収率がさらに増加している。リモートワークの時代に「あらゆる自社のデータ=企業資産」として、物理的なリモート環境構築も支援している。
11日、安倍晋三首相は、政府の新型コロナウィルス感染症対策本部で緊急事態宣言対象の7都道府県の全事業者に在宅勤務を促し、出勤者を最低7割減らすように呼びかけた。
COVID-19の拡大を契機に、今後少しずつ固定化された社内環境で業務を行う文化は薄れていくと予想される。もはや社内や拠点にさまざまな部門を抱え、大所帯を構えながら企業を推し進める必要性はなく、リモートワーク環境下において生産性を落とさず業務を遂行することができる企業こそが、今後は生き残る時代が来るのではないか。そのリモートワーク環境構築にセールスフォース・ドットコムが担う役割は大きい。
直近の決算発表で、下期にかけて増収率が減速する通期計画や共同CEOの辞任が発表され、決算後の株価の伸びは悪いが、実績・先行指数共に良好で稼ぐ力は問題ない。むしろ、市場が混乱している今こそ安値で成長性のある優良株を買い付けるチャンスである。
決算発表時点ではCOVID-19の影響は受けていないとコメントが出ているため、リモートワークを推し進める同社にとって、今回の感染症による影響は限定的とも予想される。
「働き方」が一変しそうな世界的状況にある今日では、変化に強い企業に投資することが正解と言えるだろう。セールスフォースは今後、多くの企業にとってスタンダードになるかもしれない。(記事:高木祐二・記事一覧を見る)