ふるさと納税は是が非でも行うべき節税の手段
2020年4月13日 07:44
ふるさと納税の制度自体はすでに多くの人が既知であろうが、2018年度の利用者は約300万人と、個人の住民税(市町村民税)所得割納税義務者の10%にも満たない数であることには驚かされる。
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これは、利用はしたいけれども、その仕組みや申請方法が分からないという人が多いためと推測される。2015年4月1日からは「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設され、それまで必須であった確定申告が免除されるなど、さらに利用がしやすくなっている。
さて、ふるさと納税の仕組みについては、所得税および住民税からの税額控除であり、控除によってその年の所得税額が支払い過多になっていれば還付が行われ、住民税については翌年の支払額から差し引かれる。
ちなみに、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用した場合には、所得税の控除が住民税の控除に差し替えられることになるが、いずれにしても納税額からの控除だ。
よって、ふるさと納税は自治体への寄附という仕組みではあるものの、実際には「税金の先払い」であり、同額の税金を先払いするだけで各地から返戻品がもらえるという、利用したものが得をする制度なのだ。
とはいえども、際限なしにふるさと納税ができるというわけではなく、ふるさとの納税が可能となる金額は、納税額によってその割合が定められている。
目安の金額としては、年収400万円の独身であれば4万円程度、配偶者がいる場合は3万4,000円程度、年収800万円の独身であれば13万円程度、配偶者がいる場合は12万円程度だ。
なお、ふるさと納税を行う場合には、自身の「ふるさと」に限らずどの地域へも寄附をすることができる。ただし、この制度を利用する場合には一律2,000円の費用負担があることには注意が必要だ。
自治体へ寄附をすることで贈ってもらえる返戻品に関しては、過去に返礼品合戦が行われて社会問題になったこともあり、現在は寄附額の3分の1程度までの価値がある返礼品に限られている。
つまり、3万円の寄附で1万円程度の返戻品が、無料で贈られてくると考えれば良いであろう。返礼品の内容は、肉類、魚介類などの食べ物から、工芸品、衣類、旅券など多岐に渡るが、基本的には寄附をした自治体の特産品や地場企業で作られたものだ。
もちろん、好みの返戻品を目的としてふるさと納税を行えば良いのだが、実はふるさと納税が自治体の貴重な財源ともなっていることも忘れてはならない。応援したい地域があれば、積極的にふるさと納税を行うことでその地域を直接応援することができることも、ふるさと納税の醍醐味といえるだろう。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)