マーケットエンタープライズは売り一巡

2020年4月9日 06:34

 マーケットエンタープライズ<3135>(東マ)はネット型リユース事業を展開し、中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略を推進している。20年6月期大幅増益予想である。なお新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言で、リユースセンター(全10拠点)の営業時間を短縮する。影響に注意が必要となるが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化で水準を切り下げたが、売り一巡して出直りを期待したい。

■ネット型リユース事業が主力

 インターネットに特化してリユース(再利用)品を買取・販売するネット型リユース事業を主力としている。

 買取総合窓口サイト「高く売れるドットコム」をフラッグシップサイトとして30カテゴリーの自社WEB買取サイト運営、コンタクトセンターでの事前査定、リユースセンターでの買取・在庫一括管理・商品化、複数の主要Eマーケットプレイス(ヤフオク、楽天市場、Amazon、Ebayなど)に出店した自社運営サイトでの販売という、一気通貫のオペレーションシステムを特徴としている。

 収益面の特性としては、転居に伴う商品の買い替えや新規購入などのニーズが高まり、買取依頼・販売が集中する春季の引越しシーズンにあたる第4四半期(4月~6月)の構成比が高くなる一方で、第1四半期(7月~9月)は売上高が減少して営業損益が低水準となりやすい傾向がある。

■中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略

 消費者に最適な選択肢を提供する最適化商社を目指し、中期経営目標として売上高100億円、営業利益10億円の達成を掲げている。そして事業ドメイン拡大戦略を推進し、20年6月期から事業セグメントを、ネット型リユース事業(インターネットに特化したリユース品の買取および販売)、メディア事業(消費者に対して有益な情報を提供するオウンドメディア運営)、モバイル通信事業(子会社MEモバイルの通信サービス)とした。

 ネット型リユース事業では、仕入基盤拡充に向けて全国主要都市への新規リユースセンターの開設(19年6月期末時点で10カ所)を推進している。またM&Aやアライアンスも活用して取扱商品カテゴリー拡大を推進し、17年2月中古農機具・農業機械、18年2月中古建機・重機、18年4月中古医療機器分野に参入した。20年2月にはジラフから修理業者情報プラットフォーム「最安修理ドットコム」を譲り受けた。

 また19年1月アウトレットモール情報メディア「OUTLET JAPAN」事業、19年2月リユース総合情報サイト運営「おいくら」事業、19年8月ENECHANGEから格安SIM・スマホ情報サイト「SIMCHANGE」事業を譲り受けた。19年10月には農業総合研究所<3541>と農業生産者支援で業務提携した。

 20年3月にはオフショア開発拠点として、ベトナムに子会社を設立した。

■20年6月期大幅増益予想

 20年6月期の連結業績予想は、売上高が19年6月期比18.0%増の100億円、営業利益が32.7%増の6億円、経常利益が32.2%増の6億02百万円、純利益が32.5%増の2億70百万円としている。既存事業の拡大、新規事業の収益化で大幅増益予想としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比35.1%増の51億79百万円、営業利益が2.1倍の3億09百万円、経常利益が2.1倍の3億08百万円、そして純利益が2.5倍の1億67百万円だった。主力のネット型リユース事業が新カテゴリー分野も寄与して14.1%増収と順調に成長した。また新規セグメントのメディア事業が6.1倍増収、モバイル通信事業が2.0倍増収と拡大した。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が51.8%、営業利益が51.5%と順調だった。なお新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言で、リユースセンター(全10拠点)の営業時間を短縮する。影響に注意が必要となるが、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪化で水準を切り下げたが、売り一巡して出直りを期待したい。4月8日の終値は1664円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円85銭で算出)は約32倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS221円09銭で算出)は約7.5倍、時価総額は約87億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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