エムスリー、ディップ、三菱UFJなど/本日の注目個別銘柄
2020年4月8日 17:40
<2379> ディップ 1843 +128大幅続伸。前日に20年2月期決算を発表、営業益は144億円で前期比11.9%増、従来の135-140億円のレンジ予想上限を上回った。人材サービス事業における求人広告メディアの好調推移が主因。期末配当金も従来計画の26円から29円に引き上げた。21年2月期通期予想は非開示だが、第1四半期は29-38億円のレンジと予想する。業績は鈍化予想だが、ここまでの株価下落からは十分に想定線と捉えられた。
<8940> インテリックス 531 +80ストップ高。前日に発表した第3四半期決算が好感される。累計営業利益は8.5億円で前年同期比69.1%増益、通期計画11.6億円、前期比30.4%減に対して順調な拡大推移となっている。上半期は減益決算であったため、12-2月期の収益大幅回復にはインパクトが強まる形のようだ。リノヴェックスマンションの販売件数増加やその他不動産の売却増、販管費の抑制などが大幅増益に寄与した。
<6185> SMN 609 +75急伸。前日に業績予想の上方修正を発表している。営業利益は従来予想の5.5億円から7.4億円に増額、一転して増益見通しとなっている。ASAの新規連結化効果、新規投資による固定費負担増加の下振れ、既存サービスの順調な推移などが業績上振れの背景に。第3四半期までの状況からは上振れ余地も意識されたが、株価が安値圏推移にあるなかで、素直に買い材料視する動きが先行へ。
<2413> エムスリー 3780 +400急伸。モルガン・スタンレーMUFG証券では投資判断を「イコールウェイト」から「オーバーウェイト」に、目標株価も2300円から4050円に引き上げた。新型コロナウイルス感染拡大によるネガティブな影響が乏しいとみられる一方、医薬品メーカーのデジタルチャネル活用の広がり、オンライン診療の制度整備加速などはポジティブな方向と指摘。年初来の株価オーバーパフォーマンスは限定的で、エントリー好機と分析する。
<9831> ヤマダ電機 515 +30大幅続伸。特に目立った新規材料は観測されていないものの、信用倍率は0.7倍台と売り長状態にあり、自社株買いの実施期間中でもあることから、需給妙味は強まっている状態とみられる。また、緊急事態宣言の発令により、外出自粛や在宅勤務の流れが一段と強まることから、巣ごもり消費やテレワーク対策として、家電販売の需要増加が想定される形にもなっているとみられる。
<5401> 日本製鉄 871.2 -29.8大幅反落。4月中旬から東日本製鉄所鹿島地区と関西製鉄所和歌山地区の計2基の高炉を一時休止すると発表。また、国内の各事業所で「一時帰休」を約10年ぶりに実施するともしている。新型コロナウイルスの影響で鋼材需要が減少していることに対応。自動車業界を中心とした鋼材需要減による業績悪化を警戒する動きが先行。また、今後休止に追い込まれそうなJFEHD<5411>なども連想売りに押される形に。
<7730> マニー 2512 +5続伸。前日に上半期決算を発表。営業益は27.8億円で前年同期比4.3%減益、従来予想の29.4億円を下振れた。また、通期予想は従来の63億円から37.8億円に減額修正した。新型コロナウイルス感染拡大の影響による世界的な売上減少が業績下振れの背景。同ウイルスによる売上への影響額は30億円程度と見込んでいるが、欧州などを中心に売上の下振れは大方織り込まれていたようで、あく抜け期待が先行した形に。
<8227> しまむら 6420 +500大幅反発。ゴールドマン・サックス証券では投資判断を「売り」から「中立」に格上げしている。目標株価は6700円を継続のもよう。足元の株価下落による割安感の解消を格上げの背景としているもよう。また、同社のネットキャッシュは時価総額の84%を占めており、セクターのカバレッジ内では群を抜いて高い状況にあるため、今後の株価下落余地は限定的とも考えているようだ。
<8306> 三菱UFJ 407.0 -8.6反落。大和証券では同社を含めてメガバンク3社の投資判断を一斉に「2」から「3」に格下げした。新型コロナウイルス感染拡大による経済悪化で、海外与信や手数料収益の低迷が見込まれるほか、有価証券損益の悪化、国内外グループ会社の不振などから収益下振れは避けられないとみている。連続増配も小休止、自己株式取得も各行で見送られる可能性が高いとの見方。なお、同社の目標株価は650円から450円に引き下げた。《US》