【ドル円・4月第1週】ボラティリティ収縮 レンジ相場を作るか【テクニカル分析】
2020年4月5日 16:33
4月第1週のドル円は、2020年3月の月足は安値と高値を更新しない展開となった。
前週においては、月足の陰線確定が展開としては予想された。しかし、月足が陽線で確定した事も踏まえ、今後の展望を修正すべきだろう。
【こちらも】【ドル円・3月第4週】上値を固める展開、売り優勢が見えた【テクニカル分析】
先週のドル円について、「短期の取引が難易度を増す、短期的なレンジ相場入りが示唆できる」このような結論となった
●マクロ環境のドル円
●ミクロ環境のドル円
本記事では、ローソク足チャートからテクニカル分析を行い、ドル円の今週の展望を考える。
【マクロ環境】大きな節目は変わらず、板挟み状態
●3月の月足は陽線の「十字線」
●トレンドライン・水平線は現状も継続して作用
●4月は月足の四本値を軸にレンジ相場の可能性
ドル円の月足からマクロ環境を見る。前月の月足が陽線の十字線で確定した。
この月足から分析できるのは上下共に重い展開が4月の相場となる展開だ。十字線は寄付き、引けにおいてドル円が買われ、売られた展開によって形成される。
つまり、現状も機能するトレンドライン(白線)、水平線(水色線)の距離が縮まった事によりボラティリティが縮小している。
月足から分析できるのは、上下の節目が近く、レンジ相場を形成しやすい環境である事だ。
1つ時間足を落とし、ドル円の週足でレンジ相場入りの可能性を探る。やはり、買い手・売り手が拮抗している印象だ。
チャート上の赤丸は、月足レベルのトレンドラインに上値が抑えられたポイントだ。先月では2週間で下限の水平線まで下げる展開だった。
一方で、直近では同じくトレンドラインに上値を抑えられたが、先週の週足が陽線となり一方向に売り込まれる展開とは言えない。
やはり、買い手・売り手の強さは拮抗しており、レンジ相場が濃厚だろう。
【ミクロ環境】上値を超える難易度は高い。
●3日間の時間を経て「短期の天井を形成」
●2日間下がるも、下げ止まりが早い
●短期的には、売りがやや優勢
ドル円の日足から、ミクロ環境を見てみる。前週では、トレンドライン付近で「陽線のカラカサ」を3度形成。買われるシグナルと言われるローソク足だが、結果としてトレンドラインを超えられないのが現状だ。
日足レベルでは、勢いこそ劣っているものの「やや売り優勢」が短期的な展望と言えるだろう。
さらに時間足を落とし、ドル円4時間足を見る。冒頭の通り「短期的にはレンジ相場」となる可能性が高い。
その理由として、前週のボラティリティの縮小が挙げられる。黒枠内が前週のドル円のボラティリティであり、180pips程度の値幅を上下していた。
直近の値動きでは、上昇・下降と短期では一方向に動く展開が見られた為、先週の動きは大きな変化と言えるだろう。
前週の値動きから、今週以降の大まかな流れとして赤色の水準に短期的には注目したい局面だ。
少なくとも大きな節目を迎えている印象は、あえて言わずとも相場参加者は共通の認識があるはずだ。
その為、上記のような動きを予想するトレーダーも多いだろう。
一方で、このような見方もできる。短期的なレンジ相場を経て「再び節目を確認する動き」を警戒したい。
いずれにせよ、方向感がなく節目を超えた場合は、継続的なトレンドが予想できるドル円の相場環境だ。
【ドル円】今週のキーポイント
●3月の月足「四本値」
●直近のチャートパターン形成
●トレンドライン・水平線での攻防
テクニカル分析をした結果、やはり短期的には方向感に確かなものは見いだせない。このような状況下では「待ち」の選択が安全策だろう。
ファンダメンタル視点でも、コロナウイルスから派生する経済情勢を注視していきたい。各国の対策措置に対して、相場がどのように反応するか見極めが必須だ。(記事:ゆうき@FX系ライター・記事一覧を見る)