子どもの成長に感じる寂しさ そのとき親がとるべき行動
2020年4月2日 08:28
子どもは誰もが次第に成長し、親から自立していく。手塩にかけて育ててきた子どもが自分の手から離れていくことを実感すると、親は寂しさを感じるものだ。そう自覚していれば良いのだが、中には無自覚に自立を妨げる行動をしてしまう親もいる。一見寂しさからとは思われない言動であることもあるので、注意していかなければならない。
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■子どもの自立が寂しい親がとる言動
子どもの時に親の手伝いをして上手くできたとき、親からこんなことを言われたことはないだろうか。「作ってくれた料理とっても上手で美味しいわ。でも鍋の片付けができたらもっと完璧ね。」せっかく褒めてくれているのに、最後の一言が喜びを台無しにしていると反抗したくなるだろう。
この適切とは思えない言動は、親が子どもの成長や自立を見た時に感じる寂しさからくるものであると思われる。決して意地悪をしたくて言っているのではなく、寂しさを打ち消すために「まだ足りないところはある」と確認しているのだ。とはいえ、この言動に健全に成長しようとしている子どもは不信感を抱くこともあるので親は注意すべきと言える。
■自立することは子どもも寂しい
実は自立することに対して子ども自身も寂しさを感じている。小さい子どもが片付けができたりして親から褒められた後に、わざと悪さをしたりすることがある。子どもは何かを達成して誇らしく思うと同時に、安心した親が自分から離れていくかもしれないという不安も感じるのである。それで「自分のことをまだちゃんと見ていてほしい」と表現するためにわざと悪さをしてしまうのだ。
中学生ごろに出てくる反抗期も自立への葛藤からくるものだと言われている。自分が親の言う通りにしていることが恥ずかしく思えてきたり、自分と親は違う想いを持っていることを表現したくなるのだ。自分の中にあるいい子な部分をあからさまに攻撃したくなる。これは順調に成長しているためなので、親は子の葛藤を温かく見守ってあげてほしい。
■子どもの成長を否定したくなったら自問する
子どもの成功を少し皮肉ったり謙遜したくなってしまったりした時には、自分が寂しさを感じていると自覚しよう。「自分は子どもの成長が寂しいのかもしれない」と自問することで不適切な言動を抑えることができるようになる。自立することは子ども自身もどこかで寂しさを感じているのであって、親子ともに葛藤しているのである。(記事:双風サキ・記事一覧を見る)