これからも注目されるESG投資とは?
2020年4月1日 16:56
●GPIFも重視しているESG投資
世界最大級の年金基金であるGRIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資産運用額約160兆円は、ほぼ全てESG投資を考慮した投資となっている。GPIFは100年の財政計画に基づいて、将来世代の負担が大きすぎないよう、長期で安定的な投資をする必要がある。保険料で貯めた積立金の一部で運用している。
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環境や社会のことを考えずに短期的な利益優先の企業に投資して、環境・社会問題が悪化。他の企業の収益が阻害されて、結果的にリターンが減ることは避けたいところ。
それよりも、長期的に環境・社会問題に取り組んでいる企業の価値が上がった方が、長期的で安定した収益を得ることができる。
●ESG投資とは?
環境(Environment)、社会(Society)、企業統治(Governance)の頭文字を取り、この3分野を重視した経営を行う企業の株式や債券などを対象とした投資方法で、長期投資に適していると言われる。
財務状況に加えて、温暖化防止や省エネなどの環境問題への取り組み、外国人や女性の雇用など従業員への配慮、法令順守などの課題に取り組んでいるかどうかを評価され、投資先としてふさわしいかどうかを判断される。
短期的なリターンは小さくなりやすい傾向があり、投資先の選定に準備や手間がかかるデメリットはあるが、一時的な経済や企業業績の悪化などがあっても、投資先から外されるリスクは小さい。
●社会貢献にもつながる
投資を通じて社会貢献するということができるということも、ESG投資の大きな特徴である。投資先として選ばれるために、企業も本気でESGに取り組むようになるからである。
投資家だけでなく、その会社で働く社員にとっても労働環境が改善される期待がある。女性が働きやすい環境づくりや障がい者雇用、社員が休暇を取りやすい環境づくりを実現するために働き方改革が推進されて、労働効率化もアップする。
社会貢献をしながら収益を上げるということが当たり前になり、それが環境、社会、企業統治を全体的なレベルアップを実現することができる。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)